はじめに
「どこを見られて減点されるのか分からない」——実技試験の不安の多くは、採点の仕組みを知らないことから来ます。この記事は実技試験に絞り、配点・合格基準と、発進・変針・人命救助・着岸といった各科目で落としやすいポイントを整理します。学科の勉強法・当日の流れ・総合対策は学科試験の勉強法と出題範囲・受験当日の流れと持ち物・合格のコツとつまずきやすいポイントなどの姉妹記事に譲ります。
実技試験の基礎
実技試験は5トン未満の試験船を使い、原則として受験者3人に対し試験員1人の体制で行われ、受験者1人あたりの試験時間はおよそ30分です。試験科目は「小型船舶の取扱い」「基本操縦」「応用操縦」の3つに分かれ、それぞれ独立に採点されます。区分によって範囲が一部異なる場合があるため、自分が受験する区分の実施要項は事前にJMRA公式サイトで確認してください。
配点と合格基準
配点は「小型船舶の取扱い」60点、「基本操縦」120点、「応用操縦」120点の合計300点。合格基準は科目別に配点の60%以上、かつ合計が300点の70%(210点)以上です。総合点が足りていても、1科目でも60%を割れば不合格になります。
各課目の制限時間
課目ごとに制限時間が決まっています。発航前点検2分、機関運転1分、トラブルシューティング1分、解らん・係留は各1分、結索30秒、方位測定30秒。手順が合っていても時間切れで打ち切りになるため、練習段階からストップウォッチで計ると効果的です。
実技試験の科目と手順
1. 小型船舶の取扱い
発航前点検・機関運転・トラブルシューティング・解らん(ロープをほどく)・係留・結索・方位測定を、上記の制限時間内でこなします。手順を覚えるだけでなく、時間内に収める練習を反復しましょう。
2. 基本操縦(発進・直進・停止・後進・変針・蛇行)
発進・後進・離岸を開始する前は、船尾(プロペラ)付近に人や障害物がないか、見える位置まで移動して安全を確認することが求められます。この確認を省略すると減点につながりやすいポイントです。蛇行(連続旋回)は概ね50メートル間隔で設置した3個のブイを使い、滑走状態で見通し線上から進入・通過し、再び見通し線上に戻るように操縦します。
3. 応用操縦(人命救助・避航操船・離岸・着岸)
人命救助は要救助者役のブイを船内に収容する課目です。ブイを見失った場合、プロペラが回転している状態で収容した場合、行き過ぎて後進で戻り収容した場合、ブイに激しく接触した場合の4つは失敗と判定され、直ちに再救助に向かう必要があります。着岸は、着岸点指示なら操縦席がほぼ真横になるように、係留設備指示ならその設備に係留できるように行い、船と桟橋の間隔はボートフックが届く範囲内に収めます。ロープやボートフックは事前に準備しておきましょう。
時期とポイント
| 科目 | 目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 小型船舶の取扱い | 課目ごとに30秒〜2分 | 制限時間内に終える |
| 発進・後進・離岸開始前 | 都度 | 船尾付近の安全確認 |
| 蛇行 | ブイ3個・50m間隔 | 見通し線上から進入・通過 |
| 人命救助 | ブイ収容 | 見失い・回転中収容・後進で戻る・激しい接触は失敗 |
| 着岸 | ボートフックが届く間隔 | 位置合わせとロープ準備 |
安全とルール
小型船舶操縦士試験は国土交通省 海事局の管轄のもと、JMRAが実施しています。発進・後進・離岸開始前の船尾(プロペラ)付近の安全確認は採点項目であると同時に、実際の航行でも人身事故を防ぐための基本動作です。試験の実施要項・持ち物・会場ごとの運用は年度・地域で変わることがあるため、受験前に必ずJMRA公式サイトで最新情報を確認し、当日の持ち物・受付の流れは姉妹記事「受験当日の流れと持ち物」もあわせてご覧ください。
チェックリスト(保存・印刷可)
- ☐ 配点(60/120/120=300点)と合格基準(科目別60%以上・合計70%以上)を理解した
- ☐ 発航前点検2分・機関運転1分など各課目の制限時間をストップウォッチで練習した
- ☐ 発進・後進・離岸開始前の船尾確認を毎回声に出す習慣をつけた
- ☐ 蛇行のブイ間隔(50m)・見通し線上の進入イメージができている
- ☐ 人命救助の4つの失敗判定基準と再救助の対応を把握した
- ☐ 着岸時のボートフックが届く間隔感覚とロープの事前準備を確認した
- ☐ 学科試験の対策は学科試験の勉強法と出題範囲、当日の流れは受験当日の流れと持ち物で別途確認した
よくある失敗と対策
- 船尾確認を忘れる: 発進・後進・離岸前に毎回「後方よし」と声に出す
- 人命救助でブイを見失う・接触する: ブイから目を離さず、行き過ぎても落ち着いて進入し直す
- 着岸で間隔を誤る: ボートフックが届く範囲を基準に距離感を練習してつかむ
まとめ
実技試験は配点・合格基準・科目別の採点項目を正しく理解しているかで差がつきます。船尾確認、蛇行のブイ通過要領、人命救助の失敗判定基準、着岸時の間隔感覚は、体で覚えるまで練習しましょう。学科対策は学科試験の勉強法と出題範囲、身体検査は身体検査の基準と当日の注意、当日の流れは受験当日の流れと持ち物とあわせて確認してください。
次の一歩: 合格のコツとつまずきやすいポイントで試験全体の総まとめを確認し、船尾確認とストップウォッチでの時間計測から練習を始めましょう。
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出典
- 日本海洋レジャー安全・振興協会(JMRA)「一・二級小型船舶操縦士試験について」(受験案内PDF)(参照: 2021-07 / 最終確認: 2026-07-17)
- 国土交通省 海事局「海事:試験の概要」(参照: 2026-07 / 最終確認: 2026-07-17)
実技試験の配点・制限時間・採点基準は上記出典時点の情報です。年度改定の可能性があるため、受験前に必ずJMRA公式サイトの最新情報を確認してください。

