はじめに
小型船舶免許の受験で意外と見落とされがちなのが「身体検査」です。学科・実技の前に必ず行われ、視力・色覚・聴力などの基準を満たさないとその場で不合格になります。「眼鏡をかけていても大丈夫?」「色の識別に自信がない」「耳が少し遠い」——そんな不安を持つ人に向けて、JMRA(日本海洋レジャー安全・振興協会)の公開情報にもとづく合格基準と、不安なときの相談・準備の仕方をまとめます。
身体検査の全体像
身体検査は試験当日の日程の最初に実施され、これに合格しないと学科試験・実技試験を受験できません。ただし事前に医師が発行した身体検査証明書を提出しておけば、試験当日は簡易な検査のみで済みます(JMRA 免許の取得-試験について)。確認される項目は主に視力・色覚・聴力・疾病及び身体機能の障害の4つです。
合格基準を知る
視力の基準
両眼とも矯正視力を含め0.5以上が基準です。眼鏡やコンタクトレンズによる矯正は認められています。一眼の視力が0.5未満の場合でも、他眼の視力が0.5以上であり、かつ視野が左右150度以上であれば合格となります(JMRA 免許の取得-試験について)。
色覚の基準
求められるのは「夜間において船舶の灯火の色を識別できること」。これができない場合でも、日出から日没までの間に航路標識の彩色を識別できれば、「航行する時間帯が限定された免許」を取得できます(JMRA 身体適性相談コーナー)。検査方法は2種類あり、白・赤・緑いずれかの光を順不同に各色2回ずつ計6回提示する「灯色識別検査」(全問正解で合格)と、赤・緑・黄の3色の指標が記載された3枚のカードを提示する「塗色識別検査」(全問正解で合格)です(同ページ)。
聴力の基準
5m以上の距離で話声語(普通の大きさの声)の弁別ができることが基準で、補聴器の使用は認められています。通常会話での確認が難しい場合は、船内騒音を模した環境下で300m先の汽笛相当音(120デシベル)を弁別できるかを確認する、より詳細な検査に進みます(JMRA 身体適性相談コーナー)。
疾病及び身体機能の障害
基準は「軽症で小型船舶操縦者の業務に支障をきたさないと認められること」です(JMRA 免許の取得-試験について)。
受験当日の流れと不安なときの備え
1. 事前相談を使う
視力・色覚・聴力に不安がある人向けに、JMRAは「身体適性相談コーナー」を設置しています。試験前に事前相談や、汽笛音検査などの簡易検査を受けられます。聴力に不安がある場合は、最寄りの事務所へその旨をFAXで連絡するよう案内されています(JMRA よくある質問)。
2. 医師の診断書を用意する
前述のとおり、医師が発行した身体検査証明書を事前に提出しておけば、試験当日は簡易な検査のみで済みます。持病や視力・聴力に不安がある場合は、この方法を検討するとよいでしょう。
3. 二級から一級への進級時
二級小型船舶操縦士免許の所持者が一級へ進級する場合、身体検査のうち色覚検査は省略されます(JMRA よくある質問)。
基準早見表
| 項目 | 合格基準の目安 |
|---|---|
| 視力 | 両眼とも矯正視力含め0.5以上(一眼0.5未満でも他眼0.5以上・視野150度以上なら可) |
| 色覚 | 夜間の船舶灯火の色を識別できること(識別できなくても限定免許の道あり) |
| 聴力 | 5m以上の距離で話声語を弁別できること(補聴器の使用可) |
| 疾病等 | 軽症で操縦業務に支障をきたさないこと |
| 進級時 | 二級から一級への進級では色覚検査を省略 |
不安なときの相談先とできる準備
視力・色覚・聴力のいずれかに不安がある場合は、受験前にJMRAの身体適性相談コーナーへ相談するのが確実です。眼鏡は矯正視力として認められるため、日頃使っているものをそのまま持参して問題ありません。色覚に不安がある場合も、「航行する時間帯が限定された免許」という選択肢があることを知っておくと、当日慌てずに済みます。
安全とルール
身体検査の合格基準や検査方法は制度として定められていますが、運用の詳細は改定される場合があります。地域・年度で異なる可能性があるため、受験前には必ずJMRA 免許の取得-試験についてやJMRA 身体適性相談コーナーで最新の公式情報を確認してください。
チェックリスト(保存・印刷可)
- ☐ 眼鏡・コンタクトレンズなど普段の矯正器具を持参した
- ☐ 補聴器を使用している場合は忘れずに持参した
- ☐ 視力・色覚・聴力に不安がある場合、事前にJMRAの身体適性相談コーナーへ相談した
- ☐ 持病がある場合、医師の身体検査証明書の事前提出を検討した
- ☐ 二級からの進級の場合、色覚検査省略の対象か確認した
- ☐ 最新の身体検査基準をJMRA公式サイトで確認した
よくある失敗と対策
- 眼鏡を忘れて受験してしまう: 矯正視力での判定になるため、普段使う眼鏡・コンタクトは必ず持参する
- 色覚に不安があるまま無対策で臨む: 「限定免許」という道があるため、事前に身体適性相談コーナーで確認しておく
- 聴力検査の流れを知らずに戸惑う: 補聴器の使用可否や詳細検査(汽笛音検査)の内容を事前に把握しておけば、当日落ち着いて対応できる
まとめ
身体検査は学科・実技の前提となる関門で、視力・色覚・聴力・疾病の基準を満たす必要があります。基準を正しく知り、必要なら事前相談や医師の診断書提出で備えておけば、当日は落ち着いて臨めます。
次の一歩: 身体検査の基準を確認したら、次は学科試験の勉強法と出題範囲で学習計画を立てましょう。
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出典
- JMRA 身体適性相談コーナー(参照: 2026-07 / 最終確認: 2026-07-17)
- JMRA よくある質問(試験:身体検査カテゴリー)(参照: 2026-07 / 最終確認: 2026-07-17)
- JMRA 免許の取得-試験について(参照: 2026-07 / 最終確認: 2026-07-17)

