もみじの病害虫対策|うどんこ病・カミキリムシ・ハダニ・アブラムシの見分け方と防除

もみじの病害虫対策|うどんこ病・カミキリムシ・ハダニ・アブラムシの見分け方と防除 庭木・盆栽

はじめに

「新芽が白い粉で縮れている」「幹の根元におがくずが落ちている」——もみじ(イロハモミジなどカエデ類)は、うどんこ病やカミキリムシ(テッポウムシ)、ハダニ、アブラムシに出会う場面が少なくありません。放置すると新梢が奇形化したり幹が食い荒らされたりします。4つの病害虫の見分け方・原因・対策をまとめます。置き場所や水やりは姉妹記事「もみじの育て方の基本」へ。

魅力・特徴

もみじはカエデ科カエデ属(Acer)の落葉樹で、芽吹きから紅葉まで季節の表情が魅力です。美しい葉を保つには病害虫の早期発見が欠かせません。育成環境は姉妹記事①、剪定・仕立ては姉妹記事②③へ。

育成環境(光・水・温度・用土・鉢)

詳細は姉妹記事①へ。要点のみ確認します。

日当たり・風通しのよい場所は、うどんこ病やハダニの抑制にも重要です。

水やり

極端な乾燥はハダニを助長します。

温度・湿度

うどんこ病は昼暖かく夜涼しい寒暖差で発生しやすいとされます(WSU Extension)。

用土と鉢

基本は姉妹記事①へ。

季節管理(春夏秋冬)

発生時期の目安です。地域・気候・年で前後します。

季節 発生しやすい病害虫 主な作業
春(新芽) アブラムシ、うどんこ病初期 新梢の観察
夏(成長期) ゴマダラカミキリ成虫(5月下旬〜6月上旬目安)、ハダニ 地際除草・食入痕チェック
秋(生育鈍化) うどんこ病(乾燥・寒暖差) 病葉の除去
冬(休眠) 越冬中の成虫・卵 樹皮の割れ目確認

トラブルと対策

特に注意したい4つの病害虫の原因と対策です。作業・薬剤散布はラベルの用法・希釈倍率・気温条件を必ず確認してください。

うどんこ病

Sawadaea属菌(S. bicornis ほか)が原因。新梢先端の葉に厚い菌層が生じ奇形化し、進行すると脱水してぱりぱりに(農研機構)。昼暖かく夜涼しい乾燥した気象で発生しやすく、至適温度は摂氏約16〜27度、約35度超で発育抑制、春の降雨はむしろ発病を抑えます(WSU Extension、UC IPM)。対策: 硫黄系・園芸用鉱物油・ミクロブタニル系殺菌剤を初期症状時に散布。硫黄剤は摂氏約32度前後以上での散布・展着油剤の近接併用を避け、高さ約3m超は業者へ。

カミキリムシ(テッポウムシ)

ゴマダラカミキリの幼虫(テッポウムシ)は幹の地際に直径10〜15mmの穴を開け木くずを出し、成虫は体長30mm前後・黒地に白斑で夏に発生(道総研)。発生は平年5月下旬〜6月上旬目安(暖冬年は5月中旬から)。地際部に産卵する傾向があり、除草で状況把握しやすくします(佐賀県果樹試験場)。対策: 木くず(フラス)を見つけたらドライバー等で食入口の幼虫をつぶすか「ロビンフッド」等を散布。成虫はダントツ水溶剤2,000〜4,000倍等が有効。早朝の捕殺・防虫ネットも有効です(佐賀県果樹試験場)。

ハダニ

高温・乾燥・過密で被害が助長され、生活環は摂氏10度で約55日、21度で約12日に短縮されます(RHS)。オオカエデアケハダニは体長約0.4mmの暗赤色で葉の凹凸部に網を張り、年3〜4世代を繰り返し雌成虫は樹皮の割れ目で越冬(道総研)。対策: 天敵(捕食性ダニ・捕食性タマバエ)の活用と葉水加湿、落ち葉等の除去が有効です(RHS)。

アブラムシ

新芽・葉裏に群生して吸汁し、甘露上にすす病(黒いカビ)が出ることがあります(RHS)。モミジニタイケアブラムシは卵で越冬し、春に新芽で吸汁加害、夏は葉裏で休眠、晩秋に産卵する年1世代で、木が黒く汚れ枝の伸びが悪くなります(道総研)。対策: RHSは基本的に防除不要とし、天敵の温存を最重要な対策として推奨し、殺虫剤の使用は推奨していません(RHS)。

選び方のポイント

病害虫に強い個体を選ぶより、日々の観察と早期発見が重要です。新梢の斑点・幹の木くず・葉の変色・新芽のべたつきを定期チェックしましょう。ふやし方は姉妹記事「もみじのふやし方」へ。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 新梢・葉先の白い粉状の斑点(うどんこ病)を確認している
  • ☐ 幹の地際近くの木くず(フラス)や穴(直径10〜15mm)を確認している
  • ☐ 地際部を除草し、カミキリムシの産卵状況を把握しやすくしている
  • ☐ 高温乾燥期はハダニを意識し、葉水で乾燥を防いでいる
  • ☐ 新芽・葉裏のアブラムシの群生・すす病の有無を確認している
  • ☐ アブラムシは殺虫剤に頼らず、天敵を温存する対応を基本にしている

まとめ

病害虫対策は、(1) 定期観察による早期発見、(2) うどんこ病は薬剤散布の気温条件を守る、(3) カミキリムシは木くずを目印に捕殺する、(4) ハダニ・アブラムシは天敵の温存を基本にする、の4点です。

次の一歩: 置き場所や水やりの基本は、もみじの育て方の基本(鉢/庭・置き場・水やり・用土) をあわせてご覧ください。

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出典

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