はじめに
「ゴーグルはサングラスの代わりでいいの?」「色の濃いレンズなら紫外線も防げる?」——ゲレンデのゴーグルは、日差しや雪面の照り返しから目を守る大切な道具です。この記事では、雪面の照り返しの紫外線と目の保護の考え方、レンズのUVカット性能の見きわめ、雪目の症状と受診の目安、ヘルメットと一緒に使うときの確認先を整理します。ウェア全体の揃え方はゲレンデの服装ガイド|ウェア・インナー・手袋とレンタルの分け方、ヘルメット本体の選び方はゲレンデのヘルメットとプロテクター:着用の呼びかけ、サイズの合わせ方、用具の劣化の目安に譲ります。
基準: 1. 頭を守るため、スキーでもスノーボードでもヘルメットの着用を勧めます / 2. コース外・バックカントリーには立ち入らない。規制の範囲はスキー場・地域で異なるため、現地の看板・掲示とパトロールの指示に従います
ゴーグルで目を守る理由
環境省「紫外線環境保健マニュアル」(2020年3月更新)は、雪面など特に紫外線の反射が強い場所で起きる症状を”雪目(ゆきめ)”と呼んでいます。同マニュアル(2020年3月更新)によると、地表面の紫外線反射率は地表面の種類によって大きく異なり、新雪では80%に達し、コンクリート・アスファルト(10%)よりもずっと高くなります。ゲレンデでは雪面からの照り返しも目に届くため、目の保護はスキー・スノーボードのどちらでも欠かせません。
環境省は、強い太陽光から目を守るためには、ゴーグルタイプか、顔にフィットしたある程度の大きさを持つ眼鏡をかけ、帽子もかぶるとよいとしています。
装備リスト
必携装備
- ゴーグル本体(環境省は、強い太陽光から目を守る型としてゴーグルタイプを挙げている)
季節・条件で追加する装備
- 予備レンズまたは予備のゴーグル(レンズの破損などに備える)
- 収納用のハードケースまたは専用ポーチ(持ち運び・保管時の傷を防ぐ)
レンズのUVカット性能の見きわめ
1. UIAA医学委員会の目安
国際山岳連盟(UIAA)医学委員会の勧告(Standard Vol.20)は、雪目を防ぐために、望ましくは品質のよいサングラス(CE/EN保護クラス3または4で紫外線を100%カットし、横からの光を防ぐサイドピース付きのもの)か、ゴーグルを使うよう勧めています。こうした目の保護具は、雪上では常に、特に高所では着けるべきだとしています。保護クラスはサングラスを選ぶときの望ましい条件として挙げられているものです。
2. 色の濃さとUVカットは別に確かめる
環境省「紫外線環境保健マニュアル」によると、紫外線防止効果のあるサングラスや眼鏡を適切に使用すると、眼の紫外線ばく露を最大で90%カットできます。一方で、色の濃いサングラスをかけると、眼に入る光の量が少なくなるため瞳孔が普段より大きく開きます。そのため、紫外線カットの不十分なレンズでは、かえって多くの紫外線が眼の中に入り、危険な場合があると注意を促しています。色の濃いレンズを選ぶときほど、紫外線をカットする表示のものかを必ず確認しましょう。曇り止めの手入れや保管の方法は、使うゴーグルの取扱説明に従ってください。
ヘルメットと一緒に使うとき
基準1のとおり、スキーでもスノーボードでもヘルメットの着用を勧めます。ヘルメットと一緒に着けるときのベルトの通し方や長さの調整は、ヘルメットとゴーグルそれぞれの取扱説明に従いましょう。ヘルメット本体のサイズの合わせ方はゲレンデのヘルメットとプロテクター:着用の呼びかけ、サイズの合わせ方、用具の劣化の目安を参照してください。
リスクと備え
紫外線を防げないまま過ごすと、結膜(白目)の充血、異物感、流涙がみられ、ひどくなると強い眼痛を生じるといった”雪目”の症状につながるおそれがあります。UIAA医学委員会は、この症状が無防備なまま雪上の晴天の日を過ごした夜になってから現れることもあり、雪目の目は感染に弱くなるため二次感染に注意が必要だとしています。日中に症状が無くても油断せず、目に違和感や痛みを感じたら活動をやめて休みましょう。また、UIAA医学委員会は遠征の医師に向けて、痛みを伴う視力の低下では搬送や眼科の専門医の対応をためらわないよう勧めています。痛みを伴う視力の低下があれば、早めに医療機関を受診してください。
吹雪などで視界が悪いときについて、公益社団法人日本スノーボード協会は、降雪・吹雪・濃霧・日没時などで視界が悪いときは徐行するよう呼びかけています。視界が悪いときもコース外へは立ち入らず、基準2のとおり行動してください。
ゲレンデの安全と用具
消費者庁は、ヘルメットやプロテクターを正しく着用するよう呼びかけています(消費者庁「スノースポーツ中の事故に注意 ― スキー・スノーボードの事故を中心に ― 」)。
気象庁は、上空からの紫外線には帽子や日傘が有効だとしたうえで、地表面から反射してくる紫外線も忘れずに、総合的な紫外線対策をとることが大事だとしています(気象庁「地表面の反射と紫外線」)。ゲレンデではゴーグルやサングラスでの目の保護を習慣にしましょう。
チェックリスト(保存・印刷可)
- ☐ ゴーグル(またはサングラス)を用意した
- ☐ 色の濃さとは別に、紫外線カットの表示を確認した
- ☐ 曇り止めの手入れ・保管の方法を取扱説明で確認した
- ☐ 予備レンズまたは予備のゴーグルを用意した
- ☐ ヘルメットと合わせたときのベルトの調整を、それぞれの取扱説明で確認した
- ☐ 基準1・基準2を確認した(冒頭を参照)
よくある失敗と対策
- 見た目の濃さだけでレンズを選び、UVカットの表示を確認しない: 色の濃さにかかわらず紫外線カットの表示を確認する(上記「色の濃さとUVカットは別に確かめる」)
- 晴れた日以外は目の保護がいらないと思い込む: UIAA医学委員会は、目の保護具を雪上では常に着けるべきだとしている。ゲレンデではゴーグルやサングラスを習慣にする
- 目の違和感を我慢して滑り続ける: 活動をやめて休み、痛みを伴う視力の低下があれば早めに医療機関を受診する(上記「リスクと備え」)
まとめ
雪面は紫外線の反射が強く、ゴーグルやサングラスによる目の保護はスキー・スノーボードに共通して欠かせません。レンズは色の濃さとは別に紫外線カットの表示を確かめ、ヘルメットと一緒に使うときは取扱説明を確かめ、基準1・基準2を守って安全に楽しみましょう。
次の一歩: ヘルメット本体のサイズ合わせはゲレンデのヘルメットとプロテクター:着用の呼びかけ、サイズの合わせ方、用具の劣化の目安、ウェア全体の揃え方はゲレンデの服装ガイド|ウェア・インナー・手袋とレンタルの分け方で確認しましょう。
関連記事
- ゲレンデの服装ガイド|ウェア・インナー・手袋とレンタルの分け方
- ゲレンデのヘルメットとプロテクター:着用の呼びかけ、サイズの合わせ方、用具の劣化の目安
- スキーの始め方|レンタル+スクールで揃える初回ロードマップ
出典
- 公益社団法人日本スノーボード協会「安全とマナーについて」(参照: 2026-09 / 最終確認: 2026-09-29)
- 気象庁「地表面の反射と紫外線」(参照: 2026-09 / 最終確認: 2026-09-29)
- 環境省「紫外線環境保健マニュアル」(2020年3月改訂版)(参照: 2026-09 / 最終確認: 2026-09-29)
- UIAA Medical Commission「Eye Problems on Expeditions」(Standard Vol.20)(参照: 2026-09 / 最終確認: 2026-09-29)
- 消費者庁「スノースポーツ中の事故に注意 ― スキー・スノーボードの事故を中心に ― 」(参照: 2026-09 / 最終確認: 2026-09-29)

