もり突き(スピアフィッシング)の漁業権・遊漁ルール入門|使える漁具と地域差の確認方法

もり突き(スピアフィッシング)の漁業権・遊漁ルール入門|使える漁具と地域差の確認方法 ダイビング

はじめに

「素潜りでやすを使って魚を突く」もり突き(スピアフィッシング)は、手軽に見えて実は漁業法・水産資源保護法にもとづく漁業権・遊漁規則の対象です。使ってよい漁具や区域・方法は都道府県ごとに異なり、知らずに行うと違反になりかねません。水産庁の一次情報と三重県の運用例をもとに、制度と安全の基本を整理します。釣行先の都道府県規則は必ず個別に確認してください。

もり突き(スピアフィッシング)の基本

もり突きは、水中で息を止めて潜り、やすや水中銃などの刺突具で魚介類を捕る漁法です。水産庁が公開する都道府県別の一覧表に、潜水器(アクアラング等の容器を身につける簡易潜水器を含む)と水中銃は掲載されていません。掲載のない漁具・漁法は使用できないため、潜水器と水中銃は全都道府県で遊漁者が使えない扱いです(水産庁 都道府県漁業調整規則で定められている遊漁で使用できる漁具・漁法)。潜水器を身に付けたまま、やすや徒手で採捕することも認められません。「息こらえ潜水」+「都道府県が認める漁具」が出発点です。

使ってよい漁具・装備

やす・もりの区分(三重県の運用例)

もり突きで使える漁具は都道府県ごとの一覧表で個別に定められ、表にない漁具・漁法は使用できません(水産庁 遊漁・海面利用の基本的ルール)。三重県の運用では、先端部と柄が固着し手で持って突き刺す「やす」のうち火光を使わないものは使用できますが、火光を使う「やす」や、水中銃・土佐銛・チョッキ銛のように先端部と柄が分離する「もり」は使用できません。ゴム付きの「やす」でも、突き刺した際に柄が手から離れる構造なら「もり」扱いです(三重県 遊漁者等の「やす」の使用について)。この区分は三重県の例で、都道府県ごとに表現・運用は異なります。

もり突きは潜水器なしの息こらえ潜水で行います。マスク・スノーケル・フィン・ウェットスーツの選び方で紹介するウェットスーツやフィン・マスク・スノーケルは漁具ではなく装備として使えますが、実施区域・方法自体は規則の対象です。

実践の手順

1. 都道府県規則の確認

出発前に、釣行先の都道府県の漁業調整規則で、使用できる漁具の一覧・禁止区域・禁止期間・体長制限を確認します。

2. 区域・時期の確認

禁止区域・禁止期間に加え、夜間照明(火光)の利用禁止・制限も規則で定められています(水産庁 遊漁・海面利用の基本的ルール)。潜る区域が漁業権区域や禁止区域に当たらないか確認します。

3. 採捕・引き上げ

規則で認められた漁具・区域・魚種の範囲でのみ採捕します。伊勢海老・タコ・サザエなど共同漁業権の対象種は、無許可の採捕自体が別の重い規制対象になり得ます。

時期とポイント

項目 目安
実施可否 都道府県の一覧表で使用可能な漁具・区域を確認してから判断する
使用可能な漁具 都道府県ごとの一覧表に掲載されたものに限る(例: 火光を使わない「やす」)
使用不可 潜水器・水中銃は全都道府県で不可。もり(先端部と柄が分離する漁具)も地域により不可
確認先 釣行先の都道府県水産主管課、水産庁資源管理部管理調整課 沿岸・遊漁室

季節や実施可否は地域・年度で異なります。釣行先の都道府県規則・最新の公式情報を必ず確認してください。

安全とルール

規則の目的は水産動植物の繁殖保護と秩序ある漁場利用で、根拠となる法令の枠組みは漁業法・水産資源保護法と、これらにもとづいて各都道府県が定める漁業調整規則です(水産庁 遊漁・海面利用の基本的ルール)。

  • 三重県の例では、潜水器を使って水産動植物を採捕すると無許可操業に該当し最大3年以下の懲役または300万円以下の罰金、共同漁業権の対象種(伊勢海老・タコ・サザエ等)の無許可採捕は100万円以下、特定水産動物では最大3000万円以下の罰金の対象になり得ます(三重県 遊漁者等の「やす」の使用について)。
  • 息こらえ潜水は単独で行わず、必ずバディと一緒に行動しましょう。
  • 不明点は釣行先の都道府県水産主管課、または水産庁資源管理部管理調整課 沿岸・遊漁室(03-3502-7768)に問い合わせましょう(水産庁 遊漁・海面利用の基本的ルール)。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 都道府県漁業調整規則で使用できる漁具の一覧を確認した
  • ☐ 潜水器・水中銃を使用していない(全都道府県で不可)
  • ☐ 禁止区域・禁止期間・体長制限を確認した
  • ☐ 共同漁業権対象種(伊勢海老・タコ・サザエ等)の扱いを確認した
  • ☐ 火光利用の可否を確認した
  • ☐ バディと一緒に行動する準備をした

よくある失敗と対策

  • 「素潜りだから自由」と思い込む: 遊漁でも規則の対象です。使用できる漁具は都道府県の一覧表で確認しましょう。
  • 水中銃・潜水器を使ってしまう: 全都道府県で使用できない漁具です。息こらえ潜水+規則が認める「やす」の範囲にとどめましょう。
  • 漁業権対象種を無許可で採ってしまう: 伊勢海老・タコ・サザエ等は無許可採捕自体が重い規制対象になり得るため、対象種か事前に確認しましょう。

まとめ

もり突き(スピアフィッシング)は、潜水器・水中銃が全都道府県で使用できないことをはじめ、使用できる漁具・区域・方法が都道府県の漁業調整規則で個別に定められています。自由に見える行為の裏にある繁殖保護と秩序ある漁場利用の規制を理解し、釣行先の規則を必ず確認してから行いましょう。

次の一歩: まずは道具を持たないスキンダイビング(素潜り)の始め方で水中の基礎を身につけ、都道府県規則を確認したうえで、認められた漁具の範囲でもり突きに臨みましょう。

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出典

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