海の警報・注意報の種類と確認方法|特別警報との違いと撤退の判断

海の警報・注意報の種類と確認方法|特別警報との違いと撤退の判断 安全・ルール

はじめに

海で釣りやレジャーを楽しむ人にとって、天候の急変は命に関わります。本記事では、気象庁が発表する警報・注意報の仕組みと確かめ方、このサイトがすすめる撤退の基準を解説します。雷・突風・海霧などへの個別の対処は、末尾の関連記事を参照してください。

警報・注意報を知る全体像

気象庁は、発生のおそれのある気象災害の重大さや可能性に応じて特別警報・危険警報・警報・注意報を発表します。注意報は、災害が起こるおそれのあるときに注意を呼びかけて行う予報です。警報は、重大な災害が起こるおそれのあるときに警戒を呼びかけて行う予報です。危険警報は、重大な災害が起こるおそれが大きい危険な状況である旨を警告して行う予報です。特別警報は、予想される現象が特に異常であるため重大な災害の起こるおそれが著しく大きい旨を警告して行う予報です。ただし、4つの段階がどの種類にもそろうわけではありません(次の節で解説)。

必要な確認手段・情報源

確認できる場所

発表中の気象警報・注意報は気象庁ホームページで確認できるほか、市町村や民間気象会社等でもインターネットや携帯電話向けに情報提供しているところもあります。気象庁の発表状況の地図は、気象庁「気象警報・注意報の種類」の末尾にある「現在発表中の気象警報・注意報へ」から開けます。

発表される単位と基準

河川氾濫以外に関する気象警報・注意報は原則として個別の市町村を発表区域としています。発表基準値も市町村によって異なります。釣行先の市町村名で確認しましょう。

船舶向けの海上警報は市町村単位ではなく、日本近海を分けた12の地方海上予報区と、それを分割した細分海域を対象に発表されます。

海に関係する警報・注意報の種類

  • 波浪: 高波による遭難や沿岸施設の被害など、重大な災害が発生するおそれがあると予想したときは波浪警報、災害が発生するおそれがあると予想したときは波浪注意報が発表されます
  • 暴風・強風: 暴風には特別警報と警報、強風には注意報があります
  • 濃霧・雷: 濃霧注意報は、濃い霧により災害が発生するおそれがあると予想したときに、雷注意報は、落雷のほか、急な強い雨、竜巻等の突風、降ひょうといった積乱雲の発達に伴う激しい気象現象による被害のおそれがあると予想したときに発表されます
  • 高潮: 水位又は潮位がレベル4高潮危険警報の基準値に到達すると予想される場合に、レベル2高潮注意報はおおむね18時間前まで、レベル3高潮警報はおおむね12時間前まで、レベル4高潮危険警報はおおむね6時間前までに発表されます。台風や温帯低気圧等に伴う海面の異常上昇により浸水害の起こるおそれが著しく大きくなると予想される場合は、レベル5高潮特別警報が発表されます
  • 海上警報: 日本近海の船舶向けに、強風・濃霧・着氷などの海上警報が発表されます。海上濃霧警報の基準は海霧・視界不良で撤退すべきサインを参照してください

4つの段階がそろうのは、このうち高潮だけです。波浪・暴風などの「その他の気象警報・注意報」は、特別警報・警報・注意報と早期注意情報で発表され、危険警報の段階はありません。波浪・暴風は警報の次が特別警報なので、「波浪危険警報」を待たないでください。濃霧と雷は注意報が最も高い段階です(船舶向けの海上濃霧警報を除く)。

実践の手順(撤退の判断)

1. 出発前に確認する

目的地の市町村に、波浪・強風・暴風・濃霧・雷・高潮の警報・注意報が出ていないか確認します。数日前からは早期注意情報も目安になり、警報級の現象が5日先までに予想されているときは、その可能性が[高]、[中]の2段階で発表されます。

ボートで沖に出る日は、気象庁「海上警報・予報」の「最新の海上警報・予報へ」から、目的の海域を含む地方海上予報区・細分海域の海上警報も確認します。

2. 現地・活動中に確認する

早期注意情報の[高]や[中]が出ていなくても、天候の急激な変化に伴って警報等が発表される場合があります。テレビやラジオは市町村等をまとめた地域の名称で伝える場合があるので、市町村単位の発表はスマートフォン等で定期的に確かめましょう。

3. このサイトの撤退の基準

次の基準は、このサイトの編集方針です(気象庁や海上保安庁が定めた基準ではありません)。対象は波浪・強風・暴風・濃霧・雷・高潮の警報・注意報と、ボートで出る日の海上警報です。

  • 出発前: 注意報が出ていれば中止・延期を基本とし、警報以上や海上警報が出ていれば中止・延期します
  • 活動中に注意報が出たら: 早めに撤退します
  • 活動中に警報・危険警報・特別警報や海上警報が出たら: 直ちに撤退します

海上保安庁も、釣りに行く際は事前に釣り場の気象・海象を確認し、警報や注意報が発令されるなど荒天が予想される場合は釣りを控えるよう呼びかけています。濃霧と雷は注意報より上の段階が無いので、注意報を「まだ軽い段階」と読まないでください。雷のときの避難先は雷注意報と雷ナウキャストの見方の「避難できる場所」で確かめましょう。

確認のチェック表

項目 目安
高潮 注意報 → 警報 → 危険警報 → 特別警報
波浪・暴風 警報の次が特別警報(危険警報は無い)
濃霧・雷 注意報が最も高い段階
発表区域 気象警報・注意報は原則として市町村、海上警報は地方海上予報区・細分海域

安全とルール

海に出るときはライフジャケットを着用しましょう。海上保安庁は、ライフジャケットを着て仲間と行動していれば、万が一海に落ちてしまっても救助される可能性が非常に高くなるとしています。出かける前の行動は海上保安庁「釣りをする際の行動について」、発表中の情報の読み方は気象庁「気象警報・注意報」で確認できます。立入禁止区域の順守など海のレジャー全般のルールは「堤防釣りの安全とルール」も参照してください。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 出発前に目的地の市町村の警報・注意報を確認した
  • ☐ ボートで出る日は、目的の海域の海上警報も確認した
  • ☐ 波浪・暴風に危険警報は無く、濃霧・雷は注意報が最上位だと理解した
  • ☐ 活動中も発表状況を確かめる手段(スマートフォン等)を用意した
  • ☐ ライフジャケットを着用した
  • ☐ 出発前は注意報で中止・延期を基本(警報以上は中止)、活動中は注意報で早めに撤退・警報以上で直ちに撤退と決めた

よくある失敗と対策

  • 注意報を軽視して活動を続ける: 注意報も「災害のおそれ」の予報。とくに濃霧・雷は注意報が最上位。注意報で早めに撤退する
  • 出発時に確認しただけで安心してしまう: 天候の急激な変化に伴って警報等が発表される場合がある。現地でも定期的に確認する
  • 地域名だけで確かめてしまう: テレビやラジオは市町村等をまとめた地域の名称で伝える場合がある。目的地の市町村名で確認する

まとめ

警報・注意報のそろう段階は種類によって違います。目的地の市町村(ボートなら海域)の発表を出発前と活動中の両方で確かめ、出発前は注意報で中止・延期を基本(警報以上は中止)に、活動中は注意報で早めに、警報以上で直ちに撤退しましょう。

次の一歩: 発表を待たずに気づける天候急変の兆候を、海のレジャー中の天気急変のサインで確認しましょう。

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出典

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