海の水難事故を防ぐ備え|浮力体・海水浴場選びと、溺れた人を見たときの通報先

海の水難事故を防ぐ備え|浮力体・海水浴場選びと、溺れた人を見たときの通報先 安全・ルール

はじめに

本記事では、警察庁と海上保安庁の一次情報をもとに、水難事故の現状と防ぐための備えの全体像、そして周りの人が溺れているのを見かけたときの行動をまとめます。自分自身が流された・泳いでいて不安を感じたときの行動は離岸流に流されたときの浮き方|助けてサインの出し方と、陸へ向かうか待つかの判断で詳しく解説しています。

水難事故の現状(令和7年)

警察庁の「令和7年における水難の概況等」によると、令和7年の水難の発生件数は1,426件、水難者は1,599人、そのうち死者・行方不明者は760人でした。下記の場所別の内訳のとおり、いずれも海だけでなく、河川など海以外で起きた水難を含む数です。

このうち中学生以下では、水難者が177人、そのうち死者・行方不明者が27人でした。中学生以下の発生件数は110件ですが、これは水難者が中学生以下のみであった件数です。

死者・行方不明者760人を発生場所別にみると、海が352人(46.3%)、河川が282人(37.1%)の順に多く、行為別にみると、魚とり・釣りが168人(22.1%)、水遊びが53人(7.0%)の順に多くなっています。場所別の海の352人は海で起きた数ですが、行為別の人数は河川など海以外で起きた水難も含む全体の数です。

事故を防ぐための備え

管理された海水浴場で泳ぐ

海では、管理された海水浴場で泳ぐようにします。管理された海水浴場とは、ライフセーバーや監視員等が常駐し、遊泳区域を示すブイロープが張ってあり、遊泳区域を示す旗(エリアフラッグ)が立てられている海水浴場です。ただし、天候不良などにより遊泳禁止になっているときは泳ぎません。

ライフジャケットなどの浮力体

海水浴場に行く際には、ライフジャケットなどの浮力体のほかに、笛や防水パック入り携帯電話等を持っていき、伝達手段を確保します。ここでいう浮力体とは、ウエットスーツなど身体に密着し、簡単に外れないものを指し、浮き輪などのフロート遊具は含まれません。釣りやボート等で水辺に行くときは、体のサイズに合ったライフジャケットを選び、必ず正しく着用します。堤防釣りでの落水対策は堤防釣りの落水対策とライフジャケット|桜マークの着用義務と安全ルール、選び方の基準はライフジャケット(救命胴衣)の選び方|桜マーク・タイプ・浮力の判断軸と着用義務で解説しています。

体調・飲酒

体調が悪いときや飲酒したときは、海や河川に入りません。

子どもから離れない

保護者は、常に子どもから離れないようにします。また、万が一に備え、子どもにライフジャケットを着用させます。

フロート遊具

フロート遊具は風の影響を特に強く受ける遊具で、監視員やライフセーバーが常にいる海水浴場などの管理された場所で使い、遊泳禁止のときは使いません。海水浴でフロート遊具を使う場合は、転覆による落水などの事故に備えて、子どもの体格に合ったライフジャケットを正しく着用させます。

出発前に確認すること

海上保安庁は、海に行く前には、開設された海水浴場や自身の体調を確認するとともに、天気予報や持ち物をしっかり確認するよう呼びかけています。天候や波の状態を理由に活動を中止・撤退する基準は、海のレジャー中の天気急変のサイン・海の警報・注意報の種類と確認方法にまとめています。

場面ごとのポイント

場面 確認すること・目安
出発前 天気予報・海況を確認し、中止・撤退の基準に沿って判断する
海水浴場選び 管理された海水浴場(上記の条件)を選ぶ
持ち物 浮力体(フロート遊具は含まない)と、笛や防水パック入り携帯電話などの伝達手段を持っていく
体調 体調不良や飲酒があれば海・河川に入らない
子ども連れ 保護者が常に子どもから離れず、万が一に備えライフジャケットを着用させる
溺れている人を見たとき 下記「溺れた人を見たときの行動」の基準のとおりに対応する

溺れた人を見たときの行動

海水浴場の中で溺れている人を見かけたときは、見失わないよう注意しながら、監視員やライフセーバー、まわりの人に助けを求めます。海水浴場以外の場所では、118番(海上保安庁)・110番(警察)・119番(消防)に通報します。このとき、どのような事故か・事故の場所・事故者の人数・通報者の名前と連絡先を伝えることが重要です。

自分から水に入って助けに行くのは危険です。まずは自分の安全を確保し、道具を使うなどして助けます。溺れている人には、身の回りの浮くもので浮力を確保させます。浮くものは、溺れている人の手を伸ばして届く範囲に投げ入れ、溺れている人に当たらないように気をつけます。まとめると、次の基準になります。

溺れた人を見たとき: 海水浴場では監視員・ライフセーバー・まわりの人に助けを求める。海水浴場以外では118番(海上保安庁)・110番(警察)・119番(消防)に通報し、どのような事故か・事故の場所・事故者の人数・通報者の名前と連絡先を伝える。助けるために水に入らず、浮くものを投げ入れる。

安全とルール

備えと溺れた人を見たときの対応の詳細は、海上保安庁 ウォーターセーフティガイドの「海で遊ぶときの注意(遊泳)」・「溺れた人を見た時の対処法」・「フロート遊具で楽しく遊ぶために」と、警察庁「水難の概況等」の水難の防止対策で確認できます。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 出発前に天気予報・海況を確認した
  • ☐ 管理された海水浴場を選んだ
  • ☐ 浮力体(ライフジャケットなど)と、笛や防水パック入り携帯電話などの伝達手段を持った
  • ☐ フロート遊具は浮力体の代わりにならないことを理解した
  • ☐ 体調が悪い人や飲酒した人が海に入っていないことを確認した
  • ☐ 保護者が常に子どもから離れず、子どもにライフジャケットを着用させた
  • ☐ 溺れた人を見たときの基準(上記「溺れた人を見たときの行動」)を知っている
  • ☐ 溺れている人を見つけても自分は水に入らず、浮くものを手が届く範囲に、当たらないように投げ入れることを知っている

よくある失敗と対策

  • 浮き輪などのフロート遊具だけで安心してしまう: フロート遊具は海上保安庁の「浮力体」の定義に含まれず、風の影響を特に強く受けます。フロート遊具を使う子どもには、体格に合ったライフジャケットを正しく着用させる
  • 管理されていない浜で泳いでしまう: 泳ぐ前に、ライフセーバーや監視員等の常駐、遊泳区域を示すブイロープとエリアフラッグを確かめる
  • 溺れている人を見て、自分も海に飛び込んでしまう: 溺れた人を助けるために水に入るのは危険です。上記「溺れた人を見たときの行動」のとおり、浮くものを投げ入れて対応する

まとめ

海の水難事故を防ぐ備えは、管理された海水浴場を選ぶこと、浮力体と伝達手段を持っていくこと、体調の管理、子どもから離れずライフジャケットを着用させることです。溺れている人を見かけたときは、上記「溺れた人を見たときの行動」の基準のとおりに対応してください。

次の一歩: 自分自身が流された・不安を感じたときの行動は離岸流に流されたときの浮き方|助けてサインの出し方と、陸へ向かうか待つかの判断で確認しましょう。

関連記事

出典

タイトルとURLをコピーしました