オリーブの剪定と樹形づくり|開心自然形の仕立て方と時期

オリーブの剪定と樹形づくり|開心自然形の仕立て方と時期 果樹

はじめに

「枝が茂って株元が薄暗い」「実つきが今ひとつ」という悩みは、多くの場合樹形と剪定に原因があります。この記事では、オリーブらしい樹形のつくり方と、剪定の時期・切る枝の選び方、風通し・採光を確保するコツを解説します。植え付けは「オリーブの植え付け・鉢/シンボルツリー」、受粉・結実は「オリーブの受粉・結実(2品種)と病害虫」を参照してください。

魅力・特徴

オリーブ(Olea europaea)は地中海沿岸原産の常緑樹で、シルバーがかった葉と自然な樹形がシンボルツリーとしても人気です。仕立て方次第で、庭や鉢に合った樹形に整えられます。

育成環境(光・水・温度・用土・鉢)

日当たりと風通しのよい場所でよく育ちます。水やり・用土・鉢選びの基本は「オリーブの育て方の基本(日当たり・水はけ)」を参照してください。本記事では、株を健全に保ち実つきを高める樹形づくりと剪定に絞って解説します。

季節管理(春夏秋冬)

季節 置き場所・温度 水やり 肥料・作業
春(早春:剪定期) 屋外の日当たり 通常どおり 剪定の適期。間引き剪定中心に整える
夏(成長期) 屋外の日当たり 乾燥に注意 伸びた新梢が翌年の結果枝になる
秋(生育鈍化) 屋外の日当たり 通常どおり 収穫(剪定は収穫を終えた後の早春に)
冬(休眠・緩慢) 屋外可(基本記事参照) 控えめ 早春の剪定に向けて樹形を確認する

適期は一般的な目安。地域・環境・品種で前後します。

剪定・仕立て(樹形と剪定の実践)

目指す樹形と骨格のつくり方

仕立ての基本は、樹の中心を開けて主枝を広げる「開心自然形(open center)」です。UC Cooperative Extension “Pruning Olive Trees”(First Press 2007年春号)によると、開心形は樹の内側にある比較的大きな枝を数年かけて取り除いてつくります。細かい切り口をたくさん入れるより、位置を選んだ大きめの切り口を少数入れるほうが効率がよいとされます。若木のうちは主枝候補以外の枝やひこばえを整理する程度にとどめ、樹形を急いで完成させないことが大切です。

剪定の時期と切り方

RHS (Royal Horticultural Society) “How to grow Olives”は、剪定を早春に行い、樹形を整えて枯れ枝や病気の枝を取り除くよう勧めています。香川県「オリーブの栽培条件と管理」によると、花芽は前年の春から夏にかけて伸びた枝の葉腋につき、春から秋の始めまでに伸びた枝が翌年の結果枝になります。そのため、剪定は不要な枝を付け根から切り落とす「間引き剪定」を基本とし、枝先を切り詰める「切り返し剪定」は枯れ枝の処理や古い枝の更新に限定します。切り返しの多用は結果枝を減らし実つきを損ないやすい点に注意します。

風通し・採光の目安

内側の混み枝を間引いて風通し・日当たりを確保すると、病害虫の予防にもつながります(香川県は、炭疽病の対策として剪定で日当たりや風通しを良好に保つことを挙げています)。ただし切りすぎは光合成量の低下を招くため、一度に切りすぎないようにします。

若木〜成木への育て方

UC Cooperative Extension, Paul Vossen “Planting Olive Trees”によると、植え付けから4年ほどは整枝を最小限にとどめ、地上90センチ程度より下の側枝やひこばえを取り除く程度で管理します。本格的な仕立ては4〜6年目が目安で、若木への過度な剪定は成長を妨げ結実開始を遅らせます。骨格ができた成木の剪定は、内側へ伸び込む枝を取り除くのが中心で、高く伸びた枝を落として樹高を管理します(UC Cooperative Extension “Pruning Olive Trees”)。時期は冬の雨が過ぎてからが目安です。切り口は水で広がる病気の侵入口になり、樹冠を透かした直後は寒害も受けやすいため、春まで待つ意味があります(同)。RHS も早春の剪定を勧めています。鉢植えでコンパクトに保つ場合は、早春に主枝の先端を勢いのよい側枝の位置まで切り戻します(RHS)。植え付け・鉢の選び方は「オリーブの植え付け・鉢/シンボルツリー」を参照してください。

トラブルと対策

  • 実つきが悪い: 切り返し剪定の多用や日当たり・風通し不足が一因。間引き剪定中心に切り替える。受粉樹の有無も関わるため「オリーブの受粉・結実(2品種)と病害虫」もあわせて確認する。
  • 枯れ枝・病気の枝: 見つけ次第、時期を問わず付け根から切り落とす。
  • 切りすぎで樹が弱る: 一度に切りすぎない。若木への過度な剪定は、生育と結実開始を遅らせる。
  • 地際からのひこばえ: 養分を奪い樹形も乱すため、見つけ次第除去する。

品種・選び方のポイント

品種による剪定方法の違いは少なく、共通して開心自然形・間引き剪定が基本です。ただしオリーブは1本では結実しにくく、実つきを目的に育てる場合は品種選びが重要です。品種の組み合わせ・受粉の仕組みは「オリーブの受粉・結実(2品種)と病害虫」で解説しています。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 目指す樹形(開心自然形など)を決めた
  • ☐ 骨格づくりは数年がかりと考え、今年抜く内側の大きな枝を決めた
  • ☐ 剪定は早春に行う予定を立てた
  • ☐ 不要な枝は付け根から間引く(切り返しは枯れ枝・更新時のみ)
  • ☐ 内側の混み枝を間引き、風通し・日当たりを確保した
  • ☐ 一度に切りすぎないようにした(特に若木)

まとめ

オリーブの剪定は、(1) 内側の大きな枝を数年かけて抜いて開心自然形の骨格をつくる、(2) 適期の早春に行う、(3) 間引き剪定を基本にする、(4) 骨格ができた後は混み枝を間引いて風通し・採光を保つ、の4点を押さえれば樹を弱らせずに整えられます。若木のうちは整枝を焦らず、数年かけて仕立てていきましょう。

次の一歩: 剪定を終えたら、オリーブの受粉・結実(2品種)と病害虫で実つきを高める品種の組み合わせも確認してみましょう。

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出典

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