地震 備え 家庭の発生前TOP5|耐震・家具固定・備蓄・避難計画・安否確認

地震 備え 家庭の発生前TOP5|耐震・家具固定・備蓄・避難計画・安否確認 防災

はじめに

「防災が大切なのはわかっているけれど、何から手をつければいいのか」——そう感じている方は多いはずです。やることが多すぎて、結局あと回しになりがちです。

そこでこの記事では、地震に対して発生前のいまやるべき備えを、効果の大きい順に5つへ整理しました。読み終えるころには優先順位がはっきりし、今日から1つずつ始められます。一度に全部そろえる必要はありません。

そして覚えておいてほしいのは、備えも避難も「空振り」で構わないということ。逃げること・備えることを恥じず、平常時のうちに行動をルール化しておくことが、いざというときに自分と家族を守ります。

なぜ重要か(最新データ)

国は2025年(令和7年)に大地震の被害想定を見直しました。内閣府の新想定では、首都直下地震(都心南部直下地震)の死者は最大で約1万3,000人、うち建物倒壊等で約7,300人、地震火災で最大約1万2,000人(条件により幅あり/出典: 内閣府 首都直下地震 2025年12月)。南海トラフ巨大地震では死者が最大で約29万8,000人とされます(出典: 内閣府 南海トラフ 2025年3月)。死因の多くは「建物の倒壊」「火災」「津波」——つまり家と、そこから安全に逃げる行動が命を分けます。

注目すべきは、これらが「減らせる被害」だという点です。内閣府の試算では、耐震化で首都直下の揺れによる全壊は約11.2万棟→約1.5万棟、感震ブレーカーで火災死者は約1万2,000人→約3,400人、家具固定で屋内の転倒・落下物による死者は約1,100人→約200人に減らせます。南海トラフでも耐震化の促進で死者は約7万3,000人→約77%減の約1万7,000人、津波は早期避難で死者数に数倍の差が出るとされます(出典: 内閣府)。平常時のいまこそ、もっとも動きやすいタイミングです。

本論:地震に備える 発生前の備え TOP5

内閣府は犠牲者を減らすため「迅速な避難」「耐震診断・補強と家具の固定」「感震ブレーカーと初期消火」などを求めています(出典: 内閣府)。これを家庭の行動にしたのが次のTOP5です。家を安全にし(1)、逃げ方を決め(2)、備えをそろえ(3)、つながる手段を確保し(4)、弱い立場の人を守る(5)——この順で進めましょう。

1. 耐震・家具固定で「家の中で生き残る」(最優先)

死因の最上位を占めるのが建物倒壊と家具の転倒・落下です。最初に取り組むべきは家の安全化です。

  • 建物の耐震性: 1981年(昭和56年)以前の旧耐震基準の住宅は、自治体の耐震診断・補強の補助制度を確認しましょう(出典: 内閣府)。
  • 家具・家電の固定: 背の高い家具はL字金具などで壁・柱(建物本体)に固定します。東京消防庁の調査では、近年の地震の負傷者の3〜5割(30〜50%)が屋内の家具類の転倒・落下・移動で負傷しており、固定で防げるけがが数多くあります(出典: 東京消防庁)。寝室・出入口の近くに倒れやすい家具を置かない配置、窓・食器棚へのガラス飛散防止フィルムも有効です。
  • 火災対策: 揺れを感知して電気を止める感震ブレーカーは、地震火災を減らす効果が大きいとされます(出典: 内閣府)。

2. ハザード確認とマイタイムラインで「逃げ方を先に決める」

津波は早く逃げれば助かる確率が上がります。内閣府の試算では、早期避難の進み方で津波による死者数に約2.3〜9.8倍もの差が想定されます(出典: 内閣府)。逃げ方はその場で考えず、平常時に決めておきます。

  • ハザードマップポータルサイト(国土交通省・国土地理院)で、自宅の揺れ・浸水・土砂災害のリスクと最寄りの避難所・経路を確認する(出典: 国土交通省・国土地理院)。
  • 「いつ・誰が・どこへ逃げるか」を時系列で書くマイタイムラインを家族で作り、集合場所も決める。地域の訓練で経路を一度歩いておくと安心です。

3. 備蓄は「水・食料・携帯トイレ」をセットで

大規模災害ではライフラインと物流が同時に止まります。農林水産省は、復旧まで1週間以上・支援物資が3日以上届かない・店舗で1週間ほど食品が手に入らない事態を想定しています(出典: 農林水産省)。最初の数日〜1週間は「自宅にあるもので生き延びる」前提で備えます。

  • : 1人1日約3リットル(飲用+調理用)。最低3日分なら1人9リットル、できれば1週間分。手洗い等の生活用水は浴槽の水ためなどで別に確保します(出典: 農林水産省)。
  • 食料: 最低3日〜1週間分を人数分。主食+主菜+副菜を意識し、日持ちして調理が簡単なものを。カセットコンロとガスボンベがあれば停電時も温かい食事がとれます(出典: 農林水産省)。
  • 携帯トイレ: 断水・排水管の損傷で水洗トイレは使えなくなります。1人1日約5回として、必要数=人数 × 5回 × 日数。4人家族なら最低3日分で4×5×3=60回分、1週間分で4×5×7=140回分が目安です(出典: 神奈川県)。
  • ローリングストック: ふだん食べる保存食を少し多めに買い、食べた分を買い足す方法。無理がなく賞味期限切れの無駄も防げます(出典: 政府広報オンライン)。

4. 安否確認のルールを「171」で決めておく

災害時は電話がつながりにくくなります。NTT東日本・NTT西日本が提供する災害用伝言ダイヤル「171」災害用伝言板「web171」は、伝言を録音・登録し離れた家族が確認できる仕組みです(出典: TCA)。

  • 「連絡がつかないときは171に伝言を残す」と家族のルールを決める。
  • 毎月1日・15日、防災週間(8月30日〜9月5日)、防災とボランティア週間(1月15日〜21日)、正月三が日の体験利用日に操作を覚えておく(出典: TCA)。遠方の親戚など共通の「中継役」を1人決めるとさらに安心です。

5. 子ども・要配慮者の備えを上乗せする

標準的な備えに加え、家族に合わせた「その人専用の備え」を用意します。乳幼児・高齢者・持病のある人などは、必要なものが切れると命に関わります。

  • 乳幼児: 液体ミルク・粉ミルク・離乳食・おむつ・おしりふきを多めに。連絡先や血液型・アレルギーを書いた防災カードを持たせる。
  • 高齢者・持病のある人: 常備薬を最低1週間分とお薬手帳のコピー、メガネ・補聴器・入れ歯と予備電池など補助具も。
  • 必要なものは月齢・体調で変わるため、半年に一度は中身を見直します。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 旧耐震(1981年以前)の住宅は耐震診断・補助制度を確認した
  • ☐ 背の高い家具を建物本体に固定し、寝室・出入口・避難経路の安全を確保した
  • ☐ 窓・食器棚にガラス飛散防止フィルムを貼り、感震ブレーカーを検討した
  • ☐ ハザードマップで自宅のリスクと避難所・経路を確認した
  • ☐ 家族でマイタイムラインと集合場所を決めた
  • ☐ 水を1人1日3L × 3日分以上(できれば1週間分/生活用水は別途)備えた
  • ☐ 食料を最低3日〜1週間分そろえ、ローリングストックを始めた
  • ☐ 携帯トイレを「人数 × 5回 × 日数」で備えた
  • ☐ 安否確認のルールを決め、171/web171を体験利用日に試した
  • ☐ 子ども・要配慮者の備え(ミルク・離乳食・常備薬・補助具・防災カード)を用意した

対象別ワンポイント

  • 子育て世帯: 液体ミルクは調乳不要で停電時に役立ち、連絡先入りの防災カードを携帯させるとはぐれ時に安心。必要量は月齢で変わるため半年ごとに見直しを。
  • 高齢者: 持ち出し袋は無理なく持てる重さにとどめ、メガネ・補聴器・入れ歯と予備電池も忘れずに。家具固定で寝室の安全を最優先に。
  • 単身者: 在宅避難を基本に、水・食料・携帯トイレを自己完結で最低3日分。安否を知らせる連絡相手を1人決めておきましょう。

地域レイヤー補足

ここでは全国共通の備えを扱いました。都市直下型地震が想定される地域では、耐震化・家具固定・感震ブレーカーによる出火対策の優先度がいっそう高まります。南海トラフ地震の影響が懸念される沿岸地域では、備蓄を多めにしつつ、本論2の早期避難・マイタイムラインを津波避難に重点を置いて具体化しましょう。地域固有のリスクは「自分のまち」のハザードマップで確認し、必要な備えを上乗せしてください。

まとめ

地震への発生前の備えは、(1) 耐震・家具固定、(2) ハザード確認とマイタイムライン、(3) 水・食料・携帯トイレの備蓄、(4) 171による安否確認ルール、(5) 子ども・要配慮者の備え の5つに集約されます。死因(倒壊・火災・津波)に直結する(1)(2)を最優先に、今日はまず1つから始めましょう。

次のアクション(CTA): まずは在庫チェックから。「水(1人1日3L × 日数 × 人数)」と「携帯トイレ(人数 × 5回 × 日数)」の必要量を計算し、足りない分を1品だけでも買い足しましょう。あわせて背の高い家具を1つ、今週中に固定を。

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出典

  • 内閣府 中央防災会議 首都直下地震対策検討WG「都心南部直下地震の被害想定(定量的な被害量)」(公表: 2025-12 / 最終確認: 2026-06-17) — https://www.bousai.go.jp/jishin/syuto/taisaku_wg_02/pdf/r7higai_soutei1.pdf
  • 内閣府 中央防災会議 南海トラフ巨大地震対策検討WG「最大クラス地震における被害想定について(定量的な被害量)」(公表: 2025-03 / 最終確認: 2026-06-17) — https://www.bousai.go.jp/jishin/nankai/taisaku_wg_02/pdf/saidai_01.pdf
  • 農林水産省 災害時に備えた食品ストックガイド(家庭備蓄のススメ)(公表: 2025-03 / 最終確認: 2026-06-17) — https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/chapter01.html
  • 農林水産省 災害時に備えた食品ストックガイド(大事な水、どうやって備えますか?)(公表: 2025-03 / 最終確認: 2026-06-17) — https://www.maff.go.jp/j/zyukyu/foodstock/imadoki/imadoki02_10.html
  • 政府広報オンライン 今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方(公表: 2021-03 / 最終確認: 2026-06-17) — https://www.gov-online.go.jp/article/202103/entry-10236.html
  • 東京消防庁 地震から命を守る家具転倒対策(公表: 2024-04 / 最終確認: 2026-06-17) — https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/bou_topic/kaguten/index.html
  • 神奈川県 携帯トイレを備蓄しましょう(公表: 2026-06 / 最終確認: 2026-06-17) — https://www.pref.kanagawa.jp/docs/j8g/bousai/keitaitoirebitiku.html
  • 国土交通省・国土地理院 ハザードマップポータルサイト(公表: 2024-06 / 最終確認: 2026-06-17) — https://disaportal.gsi.go.jp/
  • 一般社団法人 電気通信事業者協会(TCA) 災害用伝言ダイヤル(171)・災害用伝言板(web171)(公表: 2024-08 / 最終確認: 2026-06-17) — https://www.tca.or.jp/information/dengon-171.html
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