レモンの病害虫対策|アゲハ幼虫・かいよう病・そうか病・ハダニの防ぎ方

レモンの病害虫対策|アゲハ幼虫・かいよう病・そうか病・ハダニの防ぎ方 果樹

はじめに

「レモンの葉がアゲハの幼虫に丸坊主にされた」「実に黒っぽいかさぶた状の斑点が出た」——レモンをはじめとするかんきつ類は、アゲハ類の幼虫による食害や、かいよう病・そうか病ハダニ・アブラムシの被害を受けやすい植物です。

この記事では、レモンでつまづきやすい4つの病害虫を、原因と発生時期→予防・対策の順に解説します。育て方の基本は「レモンの育て方の基本と年間カレンダー」で確認してください。

魅力・特徴

レモン(*Citrus limon*)はミカン科ミカン属の常緑樹で、香り高い果実が家庭果樹として人気です。一方で他のかんきつ類と同様に病害虫の影響を受けやすく、発生時期を知って先手を打つことが収穫の成否を分けます。

育成環境(光・水・温度・用土・鉢)

日当たりと風通しのよい環境が病害虫を抑える土台です。風通しが悪いと多湿でハダニや病気を招きやすく強風が当たり続けると枝葉の傷からかいよう病が入りやすくなるため、風は抜けるが強風は避けられる場所が理想です。水やり・用土など基本条件は「レモンの育て方の基本と年間カレンダー」「レモンの植え付け・鉢/地植え・用土」を参照してください。

季節管理(春夏秋冬)

病害虫の発生は季節で変わります。時期は一般的な目安で、地域・気候・栽培環境により前後します。

季節 発生しやすい病害虫 防除の目安
春(2〜5月) アゲハ産卵開始(3〜4月)、かいよう病の感染拡大期 かいよう病は発芽前(2〜3月)〜5月頃まで予防散布。そうか病は発芽初期・落花直後に散布
夏(6〜9月) アゲハ幼虫食害(6月下旬〜9月)、ハダニ1回目ピーク(6〜7月)、アブラムシ各種、かいよう病果実発病ピーク(7〜8月) 幼虫・卵の見回りと捕殺。台風接近前1週間以内はかいよう病防除を徹底
秋(9〜11月) アブラムシ・ハダニの2回目ピーク(9〜11月) 見回りを継続し密度上昇の兆候があれば防除
冬(12〜1月) ミカンハダニの越冬 マシン油乳剤の散布を必ず行う

ふやし方・量産(概要)

レモンは種から育てると結実まで長く、家庭での接ぎ木による繁殖は技術を要します。苗木を入手して植え付けるのが一般的な始め方です。詳しい手順は「レモンの植え付け・鉢/地植え・用土」を参照してください。

トラブルと対策(病害虫の原因と防ぎ方)

レモンで発生しやすい代表的な病害虫を、原因・発生時期→対策の順にまとめます。薬剤を使う際は説明書の希釈倍率・使用時期・収穫前日数を守ります。

アゲハ類の幼虫(食害)

原因・発生時期: レモンに付くアゲハ類はナミアゲハが主体です。3〜4月に羽化した成虫が新芽に産卵し、卵から羽化まで30〜40日、年間4〜6回発生します。幼木・高接ぎ樹では6月下旬〜9月まで被害が続きやすく、幼虫は主脈だけ残して葉を食べ尽くします。

対策: 卵・幼虫は見つけやすいため、新芽・葉裏の見回りと見つけ次第の捕殺が基本です。葉数の少ない幼木は被害の影響が大きく、こまめなチェックが有効です。

かいよう病(葉・枝・果実のかさぶた状斑点)

原因・発生時期: カンキツかいよう病(病原菌 *Xanthomonas campestris* pv. *citri*)は、葉の気孔やミカンハモグリガの食害痕、トゲの傷から感染し、台風など強風雨で拡大します。最高気温10℃超で病斑から菌が溢出するため、発生歴のあるほ場では3月上旬から警戒が要ります。果実の発病は7〜8月がピークです。

対策: 発芽前(2〜3月)から5月頃までボルドー液や銅剤で予防散布し、台風襲来前1週間以内の防除を徹底します。風当たりの強い場所は風速6m/秒以下を目安に防風ネット・防風樹で対策すると有効です。

そうか病(葉・果実のかさぶた状斑点)

原因: かんきつそうか病はウンシュウミカンが特に発病しやすく、レモンや三宝柑はこれに次いで発病しやすいとされます。

対策: 薬剤防除の効果が高く、少発生では1回(落花直後)、中発生では2回(発芽初期・落花直後)、多発生では3回(発芽初期・落花直後・幼果期)と、発生程度に応じ予防散布の回数を増やします。

ハダニ・アブラムシ(吸汁害虫)

ミカンハダニは増殖適温26℃前後・湿度60〜70%で、6〜7月と10〜11月がピークです。防除適期は1葉あたり0.5頭までの密度で増加傾向にある時期。冬期(12〜1月)はマシン油乳剤の散布を必ず行い、同一薬剤の連用は避けます。

アブラムシ類はミカンクロアブラムシ(6月上旬・7〜8月・9〜10月がピーク)やワタアブラムシ(5〜6月に多い)が発生し、すす病誘発やウイルス媒介の原因になります。ただし成木では異常発生でない限り防除の必要性はほとんどないとされ、幼木・高接ぎ樹を中心に対応します。

選び方のポイント

病害虫への強さは品種だけで決まらず、風通し・日当たりと日々の見回り・予防散布の積み重ねが大きく影響します。苗木は葉や枝に食害・病斑のない健全な株を選ぶのが第一歩です。詳細は「レモンの植え付け・鉢/地植え・用土」を参照してください。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 日当たり・風通しのよい場所に植えている(強風が当たり続ける場所は避けた)
  • ☐ 発芽前(2〜3月)からかいよう病・そうか病の予防散布を計画している
  • ☐ 台風接近前1週間以内にかいよう病の防除を行う準備がある
  • ☐ 6月下旬〜9月は新芽・葉裏を見回り、アゲハの卵・幼虫を早期に捕殺している
  • ☐ 6〜7月・10〜11月はミカンハダニの発生を確認している
  • ☐ 冬期(12〜1月)にマシン油乳剤の散布を行っている
  • ☐ 薬剤は同一のものを連用せず、希釈倍率・使用時期・収穫前日数を守っている

まとめ

レモンの病害虫対策は、(1) 発生時期を知って予防散布を先手で行う、(2) アゲハの幼虫・卵は見回りと捕殺で早期に減らす、(3) 冬のマシン油乳剤でハダニの越冬密度を下げる、の3つが柱です。「発生してから慌てる」より「発生時期の前に備える」ほうが被害を小さくできます。

次の一歩: 病害虫対策の土台となる基本の育て方は「レモンの育て方の基本と年間カレンダー」で、剪定による風通しの改善は「レモンの仕立て・剪定・摘果(樹形づくり)」で確認してみましょう。

関連記事

出典

スポンサーリンク
タイトルとURLをコピーしました