トマトの尻腐れ症・疫病・うどんこ病と害虫対策|生理障害の予防ガイド

トマトの尻腐れ症・疫病・うどんこ病と害虫対策|生理障害の予防ガイド 野菜

はじめに

トマトを育てていて「実の底が黒く腐ってきた」「葉が白い粉をかぶったようになった」と戸惑った経験はないでしょうか。ミニトマト・中玉・大玉のいずれでも、生理障害の尻腐れ症や、疫病・うどんこ病といった病気、アブラムシやオオタバコガなどの害虫は起きやすいつまづきです。

この記事ではトマトで特に問題になりやすい生理障害・病気・害虫に絞り、原因と予防・対策を中心に解説します。用土や水やりの基本は姉妹記事に譲り、ここでは「見つけたときにどう動くか」を押さえましょう。

この野菜の基本(病害虫の視点から)

トマトはナス科の野菜で、疫病などはジャガイモ・ピーマンとも共通感染するため、これらを含む輪作には注意が必要です。用土づくりや水やりの基礎はトマトの植え付け・用土・水やりに譲り、ここでは病害虫・生理障害の予防に関わる点だけ押さえます。

病害虫・生理障害が出やすい時期の目安

症状・対象 出やすい時期の目安(地域・品種で前後)
尻腐れ症 実がつき始めてから第3〜4果房が肥大する時期
疫病・うどんこ病 生育期を通じて。うどんこ病は施設栽培で多発しやすい
アブラムシ 春から秋。世代交代が早く発生が続きやすい
オオタバコガ 果実が肥大し始めてから収穫期にかけて

尻腐れ症(生理障害)の予防と対処

トマトで最も相談が多いのが、実の尻(花落ち側)が茶色く腐る「尻腐れ症」です。生長点の幼葉や肥大中の幼果、特に第3〜4果房に発生しやすく、カルシウムの吸収不足が原因です。

原因

(1) 元肥の石灰質肥料が不足している、(2) 土壌が乾燥してカルシウムが吸収されにくい、(3) 窒素肥料が効きすぎてカルシウム吸収を妨げる、の3つが挙げられます。

予防・対策

  • 元肥に石灰質肥料を十分に施す: 植え付け前の土づくりで石灰質肥料を切らさないようにします。
  • 適湿管理: 第3果房の肥大が始まる時期から、乾湿の波を小さくする水管理を心がけます。
  • 初期追肥を早めすぎない: 追肥が早すぎると窒素過多になり、カルシウム吸収を妨げます。
  • カルシウム液剤の散布: 発症が心配なときは、幼果とその周辺の葉にカルシウムを含む液剤を散布します。
  • 着果促進剤の活用: トマトトーンなどの着果促進剤で着果を安定させると、過繁茂による尻腐れ症の予防にもつながります。わき芽かきや摘芯による樹勢管理の手順はトマトの仕立て(わき芽かき・支柱・摘芯)を参照してください。

疫病・うどんこ病の予防と対策

疫病は糸状菌が原因で、葉に暗褐色の水浸状病斑が生じ、やがて褐色に広がります。果実にも淡褐色の病斑が生じます。ジャガイモ・ピーマンとも感染するため、これらと同じ場所での連作は避けるのが基本です。予防にはSC剤・フロアブル・オイル剤などの登録農薬を発生前から予防散布します。

うどんこ病は葉の表面に白粉状の菌が生じ、進行すると葉裏が黄色く、葉表が白くなって古葉が枯れます。露地では被害が少なく、主に施設栽培で多発するため、ハウス栽培では発生初期の徹底防除が重要です。登録薬剤(パレード20フロアブル、ダコニール1000など)のほか、生物農薬や脂肪酸系資材も利用できます。

アブラムシ・オオタバコガの予防と対策

アブラムシは体長0.5〜3mmほどの半翅目の昆虫で、黄・黒・緑など色は多様です。葉裏や茎から吸汁加害し、春から秋にかけて短い世代交代を繰り返しながら発生し続けます。薬剤防除に加え、銀色マルチシートの反射で飛来を抑える方法や、寄生バチ・ヒメハナカメムシなど天敵を利用する方法も有効です。

オオタバコガは茶褐色に黒い斑紋が並ぶ幼虫が葉や果実を食害し、果実内部に食入すると3mm程度の食入穴を残して商品価値を失わせます。薬剤防除のほか、収穫前に被害果を3〜4回見回って除去すること、5mm目合いの防虫ネットで成虫の産卵・侵入を防ぐことが効果的です。長雨対策を含む収穫期の管理はトマトの収穫・雨よけ・長く穫るコツも参考にしてください。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 元肥に石灰質肥料を十分に施した
  • ☐ 第3〜4果房の肥大期から水切れさせない管理をしている
  • ☐ 初期追肥を早めすぎていないか確認した
  • ☐ 尻腐れの兆候にカルシウム液剤の散布を検討した
  • ☐ ジャガイモ・ピーマン跡地での連作を避けた
  • ☐ 施設栽培でうどんこ病の発生初期に登録薬剤で防除した
  • ☐ 銀色マルチや天敵利用でアブラムシの発生を抑えている
  • ☐ 収穫前に被害果の見回り・除去や防虫ネットでオオタバコガに備えている

よくある失敗と対策

  • 実の尻が茶色く腐った: 尻腐れ症(カルシウム吸収不足)。石灰質肥料の元肥施用と適湿管理を見直し、幼果へカルシウム液剤を散布します。
  • 葉に水浸状の病斑が広がった: 疫病の疑い。ナス科の連作を避け、登録農薬を予防的に散布します。
  • 葉が白い粉をかぶった: うどんこ病。特に施設栽培で多発するため、初期発見と早めの薬剤・生物農薬散布で拡大を防ぎます。

まとめ

トマトの病害虫・生理障害対策は、(1) 尻腐れ症を防ぐ石灰質肥料と適湿管理、(2) 疫病・うどんこ病の輪作回避と予防散布、(3) アブラムシ・オオタバコガへの耕種的防除の組み合わせが要です。用土・水やりの基本や雨よけの工夫と合わせて実践すれば、被害を抑えて収穫まで導けます。

次の一歩: トマトの育て方の基本と栽培カレンダーで栽培全体の流れを確認し、日々の管理に本記事の病害虫対策を組み合わせましょう。

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出典

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