小松菜の追肥・水やりととう立ち防止|まき時と品種選びで防ぐ

小松菜の追肥・水やりととう立ち防止|まき時と品種選びで防ぐ 野菜

はじめに

「小松菜を育てていたら、急に茎が伸びて花が咲いてしまった」——これは「とう立ち(抽苔)」と呼ばれる現象で、小松菜を含むアブラナ科の野菜でよく起こるつまづきです。

この記事では、種まき・間引き自体の手順は種まき記事に譲り、追肥の時期と量・水やりの基本、そしてとう立ちの原因と防ぎ方を中心に解説します。

この野菜の基本

小松菜はアブラナ科の葉物野菜で、発芽適温は20〜25℃、生育適温は15〜25℃です(低温側にも発芽の幅があります)。耐寒性が強く、0℃前後になっても枯死しません。全体の栽培サイクルは育て方の基本記事にまとめています。

時期の目安

一般的な目安であり、地域・品種・栽培環境で前後します。

作業 時期の目安
種まき 周年まき可能。晩秋〜厳寒期(12〜2月ごろ)は低温感応によるとう立ちに注意(次章で詳述)
水やり 本葉3〜4枚(草丈約10cmころ)まではしっかり、生育後半はやや乾き気味に
追肥 肥料不足時は本葉2〜3枚期に液肥、通常は2回目の間引き後に化成肥料(夏まきは不要)

とう立ち(抽苔)の原因と防ぎ方

小松菜のとう立ちは、種子が吸水して発芽したころから始まる「低温感応」が引き金です。日長にはあまり関係がなく、発芽直後から13℃以下の低温に一定期間さらされると花芽ができてしまいます。厳寒期(12〜2月)まきの作型では、まず低温で花芽分化が起こり、その後の高温・長日(気温が上がり日が長くなる時期)で抽苔が一気に促進される、という二段階の仕組みです。

対策の柱は次の2つです。

  • まき時での保温: 晩秋からの低温期に栽培する場合、ハウスやトンネル・べたがけ資材などで積極的に保温しないと、株が大きくなる前に早期抽苔してしまいます。本葉4枚くらいまでは5℃以上を保つのが目安です。
  • 品種選び: 低温期にまく場合は「とう立ちが遅い(晩抽性の)品種」を選ぶのが有効です。作型に合わせて晩抽性・耐暑性・耐寒性などの特性から選びます。

育て方の手順

1. 種まき・間引き

種まきの深さやまき方、間引きのタイミングは栽培の入口にあたる工程のため、詳しくは種まき記事を参照してください。本記事では、間引き後の水やり・追肥に絞って解説します。

2. 水やり

水やり(潅水)は本葉3〜4枚(草丈約10cmころ)までを目安にしっかり行います。それ以降、生育後半は土壌をやや乾き気味に保つことが病害の予防や、茎葉が間延びする「軟弱徒長」を防ぐポイントです。序盤は十分に、後半は控えめに、とメリハリをつけましょう。

3. 追肥・管理

小松菜は元肥だけで育てるのが基本です。元肥の目安は、10㎡あたり完熟堆肥20kg程度に加え、成分量でチッソ150〜200g、リン酸・カリはそれぞれ100〜150g程度とされています。

その上で、次の2つのケースで追肥を行います。

  • 肥料不足が見られるとき: 本葉2〜3枚期に、速効性肥料(液肥)を追肥・潅水して生育を促します。
  • 通常管理として: 2回目の間引きをした後、畝面全体に化成肥料を1平方メートルあたり軽く半握り(約25g)与えます。

なお、生育の早い夏まきでは追肥は基本的に不要です。追肥のしすぎは葉ばかり茂って軟弱になる原因にもなるため、株の様子を見ながら控えめに調整しましょう。

病害虫の予防と対策

アブラムシなどの害虫対策・防虫ネットや無農薬の詳細は病害虫対策の記事を参照してください。本記事の水やり管理(乾き気味に保つ)自体も病気の予防につながります。

収穫のサイン

収穫適期の見極めや間引き菜の活用・連続栽培のコツは収穫記事で解説しています。追肥と水やりを適切に行った株ほど、収穫まで順調に育ちます。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 元肥(堆肥・チッソ・リン酸・カリ)を規定量施した
  • ☐ 晩秋〜厳寒期まきでは、本葉4枚くらいまで5℃以上を目安に保温している
  • ☐ 低温期にまく場合はとう立ちが遅い(晩抽性の)品種を選んだ
  • ☐ 本葉3〜4枚(草丈約10cm)までは水やりを切らしていない
  • ☐ 生育後半は土をやや乾き気味に管理している
  • ☐ 肥料不足のサインが出たら本葉2〜3枚期に液肥を与えた
  • ☐ 2回目の間引き後に化成肥料を追肥した(夏まきは省略)

よくある失敗と対策

  • 急に花芽(とう)が立ってしまう: 発芽直後から13℃以下の低温に一定期間さらされたことが原因の可能性が高いです。晩秋〜厳寒期まきではハウス・トンネル・べたがけ等での保温と、晩抽性品種の選択で防ぎます。
  • 株が軟弱に間延びする・病気が出やすい: 生育後半まで水をやりすぎていることが一因です。本葉3〜4枚を過ぎたら潅水を控えめにし、乾き気味の管理に切り替えます。
  • 葉色が薄く生育が鈍い: 元肥だけでは肥料不足になっているサインです。本葉2〜3枚期に速効性の液肥を追肥して様子を見ます。

まとめ

小松菜の追肥は元肥が基本で、(1) 肥料不足時は本葉2〜3枚期に液肥、(2) 通常は2回目の間引き後に化成肥料、の2パターンで管理します。水やりは本葉3〜4枚までしっかり、以降はやや乾き気味に。そして、とう立ちは発芽直後からの13℃以下の低温感応が原因で、晩秋〜厳寒期まきでは保温と晩抽性品種の選択が最大の防御策になります。

次の一歩: 種まきの手順から見直したい方は小松菜のプランター種まきと間引きを、収穫のタイミングを知りたい方は小松菜の収穫・間引き菜の活用と連続栽培を読んでみてください。

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出典

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