唐辛子の病害虫・尻腐れ対策|アブラムシとカルシウム不足を防ぐ管理法

唐辛子の病害虫・尻腐れ対策 野菜

はじめに

唐辛子を育てていて「葉に小さな虫がびっしり」「実の先が黒く腐ってきた」と戸惑った経験はないでしょうか。育てやすい野菜ですが、アブラムシなどの害虫やカルシウム不足による生理障害「尻腐れ症」は起きやすいつまづきです。

この記事では唐辛子で問題になりやすい病害虫と生理障害に絞り、予防と対処を中心に解説します。育て方の基本は姉妹記事に譲り、「虫がついた」「実が傷んだ」ときの動き方を押さえましょう。

この野菜の基本(病害虫の視点から)

唐辛子は中南米原産のナス科植物です。栽培の基本は姉妹記事に譲り、ここでは病害虫・生理障害の予防に関わる点だけ押さえます。風通しのよい環境(仕立て方で整えやすくなります)と適切な施肥管理が、害虫の発生や尻腐れ症を抑える土台になります。

病害虫・生理障害が出やすい時期の目安

症状・対象 出やすい時期の目安(地域・品種で前後)
アブラムシなどの害虫 生育初期〜梅雨明け前後
モザイク病(アブラムシ媒介) 害虫発生時期と重なる
尻腐れ症 実がつき始めてから収穫期、特に高温乾燥・過湿の時期

起きやすい害虫と病気

主な害虫はアブラムシのほか、ミナミキイロアザミウマ、チャノホコリダニ、タバコガなど。主な病害は青枯病、萎凋病、モザイク病で、モザイク病はアブラムシが媒介するウイルス病のため防除ではアブラムシ対策が重要です。タキイ種苗のピーマン属(トウガラシを含むCapsicum属)の病気一覧でも、モザイク病は葉にモザイク状の模様が生じて葉が奇形化するとされています。葉の異変を感じたら、まずアブラムシの有無を確認しましょう。

アブラムシ対策(無農薬寄りの管理)

  • シルバーマルチの活用: シルバーストライプ入りの黒色ポリマルチを使う方法。光の反射でアブラムシの飛来を抑える効果が期待できます。
  • 定植時の浸透性殺虫剤: 植え穴へ浸透性殺虫剤を散布する方法も有効とされています。無農薬で通したい場合は、まずシルバーマルチや見つけ次第の除去を優先しましょう。
  • モザイク病株の抜き取り: 葉にモザイク状の模様や奇形化が出た株は感染源にならないよう抜き取ります。ウイルス病は薬剤で治せないため、抜き取りと媒介虫(アブラムシ)対策がセットの防除になります。

尻腐れ症(生理障害)の予防と対処

唐辛子でとくに相談が多いのが、実の先端や下部が黒く傷む「尻腐れ症」です。病気ではなく生理障害(栄養バランスの乱れ)で、果実の先端に小さな水浸状の病斑がまず現れ、やがて拡大して黒褐色に変化します。

原因

(1) 畑のカルシウム不足、(2) 高温乾燥や過湿によりカルシウムの吸収が妨げられること、(3) 若苗での定植や窒素肥料の与えすぎによる過繁茂の3つが挙げられています。カルシウムとカリウムの施肥バランスが崩れる(カリウム過剰になる)ことでも吸収低下が起こるとされ、土壌にカルシウムが足りていても水分ストレスや肥料バランスの乱れで吸収がうまくいかなければ発症する点がポイントです。

予防・対策

  • 定植前の土づくり: 適量の石灰と十分な完熟堆肥を施し、根を広く張らせてカルシウムを吸収しやすくします。
  • 窒素は控えめに: 元肥の窒素を控えめにし、生育を見ながら追肥で調整します。窒素過多による過繁茂は尻腐れ症を招きやすくなります。
  • 苗の植え付けタイミング: 苗は一番花が咲き始めてから植え付けます。若苗での定植は避けましょう。
  • 水やりの安定: 高温乾燥や過湿はカルシウムの吸収を妨げるため、土の乾湿の波を小さくする水管理を心がけます。
  • 施肥バランスの見直し: 培養土・肥料全体のカルシウムとカリウムのバランスを事前に把握し、施肥や土壌pH・灌水管理を見直します。
  • 発症時の対処: 発症の兆候が見られたら、カルシウムを含む液肥の葉面散布が有効とされています。収穫時に尻腐れ果を見分けて取り除く方法は唐辛子の収穫・乾燥・保存で解説しています。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 葉裏やわき芽の付け根にアブラムシがついていないか定期的に確認している
  • ☐ シルバーマルチなどアブラムシを寄せつけにくい工夫を取り入れている
  • ☐ 葉にモザイク状の模様や奇形化が出た株は早めに抜き取る準備ができている
  • ☐ 定植前に石灰と完熟堆肥で土づくりをした
  • ☐ 元肥の窒素を控えめにし、生育を見ながら追肥している
  • ☐ 苗は一番花が咲いてから植え付けた
  • ☐ 水やりが極端な乾燥・過湿にならないよう管理している
  • ☐ 実の先端に黒い病斑が出ていないか収穫のたびに確認している

よくある失敗と対策

  • 葉がベタベタして虫がびっしり: アブラムシの発生。見つけ次第取り除き、シルバーマルチなど耕種的対策で予防します。放置するとモザイク病の媒介源になります。
  • 葉にモザイク模様や奇形化が出た: モザイク病の可能性。薬剤では治らないため株を抜き取り、原因のアブラムシ対策も並行します。
  • 実の先が黒く腐った: 尻腐れ症(カルシウム不足・吸収阻害・窒素過多が主因)。土づくりと窒素の与えすぎに注意し、発症時はカルシウムを含む液肥を葉面散布します。

まとめ

唐辛子の病害虫・生理障害対策は、(1) アブラムシの早期発見と耕種的対策、(2) 尻腐れ症を防ぐ土づくりと窒素・水管理、(3) 発症時のカルシウム葉面散布の3点が要です。栽培の基本や仕立て方と合わせて実践すれば、被害を最小限に抑えて収穫まで導けます。

次の一歩: 唐辛子の育て方と栽培カレンダーで栽培全体の流れを確認し、日々の管理に本記事の病害虫対策を組み合わせましょう。

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出典

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