市販培養土の選び方|ラベル表示の読み方と用途別(野菜・花・観葉・多肉)の使い分け

市販培養土の選び方|ラベル表示の読み方と用途別(野菜・花・観葉・多肉)の使い分け 土づくり・肥料

はじめに

ホームセンターには似た市販培養土が並び、選び方に迷いがちです。

この記事ではラベル表示の読み方と野菜・花・観葉・多肉の用途別の選び方を中心に解説します。基本の資材は「培養土とは?」、自作配合は「培養土の自作配合」を参照してください。

基本(種類・成分・特徴)

よい土の条件は、通気性・排水性・保水性・保肥力に優れ、土中の空気と水分のバランスやpHが適正で、有機物を適度に含むことです(タキイ種苗「園芸肥料と用土のABC」(よい土とは))。市販品の多くは植物の生長に適したpHに調整されていますが、さらに石灰などを混ぜるとアルカリ性に傾くため注意します。重さも目安になり、特殊な例を除いて植物の生育に適した土は1Lあたり400〜600gです。重すぎると通気性が悪く根腐れの原因になり、軽すぎると植え付け後の株が不安定で根の活着が悪くなります(タキイ種苗「園芸肥料と用土のABC」(培養土の選び方))。

用途別の配合例と古い土の再生手順

代表的な市販品の公式仕様と、古い土を再生するときの考え方です。

用途 配合原料の例 肥料の設計
観葉植物向け バークたい肥・赤玉土・鹿沼土など 初期肥料配合済みでそのまま植え替え可
サボテン・多肉植物向け 鹿沼土・赤玉土・ココヤシガラ・バークたい肥・パーライト・軽石・木炭など ゆっくり長く効く肥料を適量配合
室内向け観葉・多肉 鹿沼土・パーライト・赤玉土など(たい肥不使用の粒状) 速効性と緩効性の2種類の肥料を配合
野菜・花(汎用) 木質堆肥・ココナッツファイバー・腐植ミネラル・赤玉土など 効き目が穏やかで肥効期間の長いIB肥料を配合

※メーカー公式仕様の例です(観葉植物向けはPROTOLEAF(プロトリーフ)公式サイト「観葉植物の土」、サボテン・多肉植物向けはPROTOLEAF(プロトリーフ)公式サイト「サボテン・多肉植物の土」、室内向け観葉・多肉はPROTOLEAF(プロトリーフ)公式サイト「室内向け観葉・多肉の土」、野菜・花は花ごころ公式サイト「フルボ酸配合 花ちゃん培養土」)。購入時は表示を確認してください。

古い土は、ふるいで根やごみを取り除き、改良材を混ぜて再生できます。ハイポネックス公式サイト Plantia「古い土、どう処分する?再生方法はあるの?」は、夏は湿らせた土を黒いビニール袋に包んで直射日光に当て、冬は熱湯をかけて屋外で霜と寒さにさらす消毒を紹介しています。ただしサカタのタネ 園芸通信「【第5回】プランター菜園の土づくり」(土と根がカギ 吉田流プランター菜園)は、湿らせた古土を黒いビニール袋に入れて夏の高温下に置く方法や熱湯をかける方法では、十分な殺菌は難しいとしています。消毒で病原菌がなくなるとは考えず、土を十分に乾かして残った根や葉を取り除き、前作と違う科の植物を植える(輪作)ことを基本にします。鶏ふん堆肥・牛ふん堆肥などの動物質堆肥は発酵が不十分なものが多く、根を傷めやすいため混ぜないようにします(サカタのタネ)。

選び方・使い分け

ラベル表示の読み方

タキイ種苗「園芸肥料と用土のABC」(培養土の選び方)は、商品に①適用植物名②内容量③主な配合原料名④肥料配合の有無⑤pH⑥EC⑦製造業者および連絡先の表示があり、責任の所在が明確になっていることを確かめるよう勧めています。特に④が重要で、「肥料入り」表示があれば植え付け時の元肥は不要、なければ必要に応じ元肥を施します(同)。見落とすと肥料の与えすぎ・肥料切れにつながります。

「pH調整済み」の商品はすでに適したpHのため、石灰などを追加するとアルカリ性に傾きます。追加の酸度調整は慎重に判断しましょう。

用途別の選び方

「菌根菌配合」をうたう資材もありますが、研究が進むアーバスキュラー菌根菌(AM菌)でも、増殖に宿主植物との共生が必要で手間とコストがかかるため資材が高価になり、一般にはなかなか普及していないとする発表もあります(国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)共同発表「アーバスキュラー菌根菌の純粋培養に世界で初めて成功」)。誇大な表現に惑わされず基本の表示で判断しましょう。

よくある失敗と対策

  • 「肥料入り」を見落とし元肥を二重に施す: 肥料過多になりやすいため配合の有無を確認します。
  • pH調整済みの土に石灰を追加してしまう: アルカリ性に傾くため、理由がなければ追加しません。
  • 適用植物名を見ずに選ぶ: 観葉植物用と多肉植物用では配合原料が違います。表示の適用植物名と配合原料を確かめて選びます。
  • 古い土を消毒すれば安心だと考える: 黒いビニール袋や熱湯では十分な殺菌は難しいとする資料もあります。根やごみを取り除き、前作と違う科の植物を植えます(熱湯を扱うときはやけどに注意)。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ パッケージの表示(適用植物名・内容量・主な配合原料名・肥料配合の有無・pH・EC・製造業者)を確認した
  • ☐ 「肥料入り」表示の有無を確認し、元肥の要否を判断した
  • ☐ pH調整済みの表示がある場合、石灰などを追加しないようにした
  • ☐ 育てる植物(野菜・花・観葉・多肉)に合った配合の商品を選んだ
  • ☐ 古い土を再利用する場合は、根やごみを取り除き、前作と違う科の植物を植える予定を立てた

まとめ

市販培養土を選ぶ基本は、パッケージの表示を確認し「肥料入りかどうか」と「pH調整済みかどうか」をチェックすることです。野菜・花は汎用タイプ、観葉植物・多肉植物はそれぞれの専用の土を、適用植物名と配合原料を見て使い分けましょう。

次の一歩: 培養土のpH・肥料・水はけの調整を読んで、選んだ培養土をより植物に合わせて調整する方法を確認しましょう。

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出典

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