はじめに
「そろそろ掘り時?」「保存中に芽が出た・緑色になった」——じゃがいもでつまづきやすいのは、育てている間より収穫のタイミングと保存です。本記事は収穫適期の見極めから乾燥・貯蔵、翌年の種芋の考え方まで、収穫後の作業に絞って解説します。植え付けや管理は姉妹記事にゆずり、「掘ってから食べきるまで」を厚く扱います。
この野菜の基本
じゃがいもは地下の茎(塊茎)を食用にする野菜です。用土・植え付け・水やり・追肥の基本は じゃがいもの育て方の基本と栽培カレンダー にまとめており、本記事では収穫と保存に集中します。
栽培カレンダー(植え付け〜収穫)
時期は一般的な目安。地域・品種・栽培環境(春植え・秋植え)で前後する。
| 作業 | 時期の目安 |
|---|---|
| 種芋の植え付け・芽かき・土寄せ | 姉妹記事参照 |
| 収穫 | 茎葉が黄色くなった頃・晴れた日 |
植え付け・芽出しは じゃがいもの種芋の選び方・芽出し・植え付け、芽かき・土寄せ・追肥は じゃがいもの芽かき・土寄せ・追肥 を参照してください。
収穫適期の見極めと収穫のコツ
収穫の目安は茎葉が黄色くなってきたころです(農林水産省「皮が緑のじゃがいもがあるけど」は、地上部の茎や葉の全体が枯れて黄色くなってから収穫するよう勧めています)。雨天や雨上がりに掘ると腐りやすいため、晴天が続いて土が乾いているタイミングを選びます(サカタのタネ 園芸通信「初心者向け!ジャガイモの栽培方法・育て方のコツ」)。スコップは株の外側から差し込み、土ごと持ち上げて探すと傷みを防げます。
収穫後の乾燥(陰干し)
掘り出したいもは、そのまま貯蔵に回さず日陰で乾かして(陰干しして)表面を落ち着かせてから保存に移ります。サカタのタネ 園芸通信「初心者向け!ジャガイモの栽培方法・育て方のコツ」は、風通しのよい日陰で土がさらっと落ちるまで乾かして早めに取り込み、長時間日に当てないよう勧めています(水分が飛んでしわが寄ったり、ソラニンが増えたりするため)。傷や病斑のあるいもはこの段階で選別し、早めに食べる分と保存する分を分けておきます。
貯蔵方法(保存のコツ)
JAあつぎ 営農通信「秋ジャガイモの栽培・保存について」によると、貯蔵の適温は2〜15℃が目安で、これより高いと萌芽(発芽)し、0℃以下では凍結して腐敗の原因になります。家庭では、この範囲に近い風通しのよい冷暗所に保管します。
もうひとつの要点が遮光です。農林水産省「皮が緑のじゃがいもがあるけど」によると、じゃがいもの芽とその根元、皮(特に光が当たって緑色になった部分)には天然毒素のソラニンやチャコニンが多く含まれます。誤食による食中毒を避けるため、貯蔵中は毛布や遮光シートなどで光が当たらない場所に保管します(JAあつぎ 営農通信「秋ジャガイモの栽培・保存について」)。芽が出たいもは芽と根元を深めにえぐり、緑変した皮も厚めにむいて調理します(農林水産省「皮が緑のじゃがいもがあるけど」)。
翌年の種芋について
収穫したいもを種芋にすると病気が発生しやすいため、サカタのタネ 園芸通信「初心者向け!ジャガイモの栽培方法・育て方のコツ」は種芋として使わないよう勧めています。全農 情報誌Apron「じゃがいも栽培の原点『種馬鈴しょ』」によると、種芋が病害に感染していると収穫量が激減するなど大きなリスクがあり、特にウイルス病は種芋を介してまん延します。家庭菜園でも検定済みの種芋を購入しましょう。実際の種芋選びや芽出し・植え付けの手順は じゃがいもの種芋の選び方・芽出し・植え付け を参照してください。
背景には種芋の検疫制度があります。全農 情報誌Apron「じゃがいも栽培の原点『種馬鈴しょ』」によると、国は1951年から植物防疫法に基づく検疫制度を始め、原原種→原種→採種という増殖の各段階で検査を重ね、病害虫のない優良な種芋を供給する体制を整えています。自家採種は病気のリスクを次作へ持ち越すため、確実な収穫を望むなら市販の種芋を選ぶのが安心です。
病害虫の予防と対策
そうか病・疫病・テントウムシダマシなどの対策は じゃがいものそうか病・疫病・テントウムシダマシ対策 を参照してください。貯蔵中は傷や病斑のあるいもから傷みが広がるため、保管前の選別と、貯蔵中の定期チェックが予防になります。
チェックリスト(保存・印刷可)
- ☐ 茎葉が黄色くなってきたことを確認した
- ☐ 晴れた日を選んで収穫した
- ☐ 掘り出したいもを日陰で乾かした(陰干し)
- ☐ 傷や病斑のあるいもを選別して分けた
- ☐ 冷暗所で光が当たらないように保管した
- ☐ 貯蔵中に緑化や発芽がないか定期的に確認している
- ☐ 来年用の種芋は検定済みのものを用意する予定にしている
よくある失敗と対策
- 保存中に芽が出る: 保管場所の温度が高すぎることが主な原因。冷暗所に移し、2〜15℃の範囲に近づけます。芽が出た場合は芽と根元を深くえぐって調理します。
- 皮が緑色になる: 光が当たっていたことが原因。毛布や遮光シートで光を遮り、緑変した皮は厚くむいて食べます。
- 翌年の生育が急に悪くなる: 前年収穫いもを種芋に使い、ウイルス病を持ち越したことが疑われます。次回からは検定済みの種芋に切り替えましょう。
まとめ
じゃがいもの収穫と保存は、(1) 茎葉の黄化を目安に晴天日に収穫する、(2) 掘り出したら日陰で乾かす、(3) 冷暗所・遮光で貯蔵し緑化と発芽を防ぐ、(4) 翌年は検定済みの種芋を使う、の4点を押さえれば失敗を大きく減らせます。まずは今シーズンの収穫適期を見逃さないことから始めましょう。
次の一歩: じゃがいもの育て方の基本と栽培カレンダー で栽培全体の流れを確認し、次作に向けては検定済みの種芋選びから始めましょう。
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出典
- JAあつぎ 営農通信「秋ジャガイモの栽培・保存について」(参照: 2026-07 / 最終確認: 2026-07-09)
- 農林水産省「皮が緑のじゃがいもがあるけど」(参照: 2026-07 / 最終確認: 2026-07-09)
- 全農 情報誌Apron「じゃがいも栽培の原点『種馬鈴しょ』」(参照: 2026-07 / 最終確認: 2026-07-09)
- サカタのタネ 園芸通信「初心者向け!ジャガイモの栽培方法・育て方のコツ」(参照: 2026-09 / 最終確認: 2026-09-23)

