じゃがいもの種芋選びと植え付け|ウイルスフリー種芋・浴光催芽・切り分けの完全ガイド

じゃがいもの種芋選びと植え付け|ウイルスフリー種芋・浴光催芽・切り分けの完全ガイド 野菜

はじめに

じゃがいも栽培の出来は、植え付け前の「種芋の準備」でほぼ決まると言われています。どんな種芋を選び、どう芽出しをして、どう切り分け、どう植えるか——ここを丁寧に行えば、あとの管理はそれほど難しくありません。この記事では種芋の選び方・浴光催芽・切り分け方・植え付けの深さや間隔を扱います。芽かき・土寄せ・追肥・収穫は要点のみとし、姉妹記事へ案内します。

この野菜の基本

じゃがいもは種芋(種用に販売されているいも)を植えて育てます。重要なのは「健全無病な種芋」を使うことです。ウイルス病や細菌病にかかっていない種芋の利用は栽培上きわめて重要とされ、北海道では植物防疫法・北海道種馬鈴しょ生産販売取締条例に基づき種芋の検査・流通の適正化が行われています。家庭菜園でも、食用いもではなく種苗店やホームセンターの「種芋」を選びましょう。

栽培カレンダー(種芋準備〜収穫)

以下は一般的な目安。地域・品種・栽培環境で前後する。

作業 時期の目安
種芋の準備・浴光催芽(芽出し) 植え付けの2〜3週間前
種芋の切り分け・植え付け 芽出し後、植え付け適期に
芽かき・土寄せ・追肥 植え付け後〜収穫前まで随時
収穫 植え付けから100日くらい(葉や茎が黄色く色づいたころ)

種芋の選び方・浴光催芽・切り分け・植え付け

1. 種芋の選び方(ウイルスフリー種芋)

種用として売られている無病の種芋を早めに手配・確保することが大切です。こうち農業ネット「家庭菜園(ジャガイモ)」(高知県)は、休眠がさめて頂部の芽が2〜3芽動き出した状態を種芋として最適としています。サカタのタネ 園芸通信「初心者向け!ジャガイモの栽培方法・育て方のコツ」によると、サイズの目安は、1個30〜50g程度はそのまま植え付けでき、約50g以上は芽出し後に大きさに応じて切り分けます。初心者は切らずに植えられる小さめの種芋を選ぶと失敗しにくく、1kgあたり20個程度入っているものが目安です。

2. 浴光催芽(芽出し)

植え付けの2〜3週間前から、毎日朝〜夕方に日なたに並べて太陽光に当て、夜は寒さで傷まないよう室内に取り込みます(サカタのタネ 園芸通信「初心者向け!ジャガイモの栽培方法・育て方のコツ」)。農林水産省 こどもページ「ジャガイモを育ててみよう」が勧めるように、いも全体に光が当たるよう、ときどき上下をひっくり返すと、芽が偏らずそろいやすくなります。

3. 種芋の切り分け(芽の配置・切り口の乾燥/草木灰)

大きい種芋は、浴光催芽で芽がある程度伸びたタイミングを目安に切り分けます。芽が集まっている場所を残すように縦に切り、1片30〜50g程度(資料により「平均40g程度」「一個50gくらい」など幅がある)を目安にします。

サカタのタネ 園芸通信「初心者向け!ジャガイモの栽培方法・育て方のコツ」は、切り口に草木灰やハイフレッシュ等をつけ、直射日光で1日ほど天日干しする方法を紹介しています。一方で農林水産省 こどもページ「ジャガイモを育ててみよう」は、切り口を4日間くらいかけて乾かす方法で草木灰は使っておらず、乾燥日数は情報源で幅があります。草木灰は必須ではありませんが、いずれの方法でも切り口をしっかり乾かしてから植える点は共通です。

4. 植え付け(深さ・間隔・向き)

幅60〜70cmで深さ10cmくらいの植え溝を掘り、30cm間隔で種芋を置きます。覆土は土が5cmほど上にのる程度が目安です(サカタのタネ 園芸通信「初心者向け!ジャガイモの栽培方法・育て方のコツ」)。こうち農業ネット「家庭菜園(ジャガイモ)」(高知県)は、傷口に雨水が入らないよう切り口を下にして伏せるとしており、切り分けた種芋は切り口を下にして並べます。

芽かき・土寄せ・追肥(詳しくは姉妹記事へ)

植え付け後は「芽かき」「土寄せ」「追肥」が必要です。詳細はじゃがいもの芽かき・土寄せ・追肥にまとめています。

病害虫の予防と対策(詳しくは姉妹記事へ)

そうか病・疫病やテントウムシダマシの被害を受けやすい野菜です。健全な種芋と風通しが基本の予防で、詳しい対処はじゃがいものそうか病・疫病・テントウムシダマシ対策を参照してください。

収穫のサイン

収穫の見きわめ方・貯蔵方法はじゃがいもの収穫・貯蔵と種芋の選び方で解説しています。

チェックリスト(保存・印刷可)

  • ☐ 種苗店で無病の「種芋」(食用いもではない)を確保した
  • ☐ サイズを確認し、30〜50gはそのまま、50g以上は切り分け予定にした
  • ☐ 植え付け2〜3週間前から浴光催芽を始め、ときどき上下を返した
  • ☐ 芽がある程度伸びたら、芽が集まる場所を残して1片30〜50g程度に切り分けた
  • ☐ 切り口を乾かした(草木灰の使用有無は好みで判断)
  • ☐ 植え溝は幅60〜70cm・深さ10cmを掘った
  • ☐ 30cm間隔・覆土5cmほど・切り口を下向きにして植えた

よくある失敗と対策

  • 種芋が腐る: 切り口が乾ききらないまま植えるのが主な原因。天日干しでしっかり乾かしてから植えます。
  • 発芽がそろわない・遅い: 浴光催芽の日数不足や、上下を返さず光が偏ったことが原因になりやすいです。十分な日数、日なたに置きます。
  • 生育中に病気が出やすい: 食用いもを種芋代わりに使うと病気を持ち込むリスクがあります。必ず種用の無病いもを使いましょう。

まとめ

じゃがいも栽培は、(1) ウイルスフリーの種芋を選ぶ、(2) 浴光催芽で芽をそろえる、(3) 芽が集まる場所を残して切り分け乾かす、(4) 深さ10cm・間隔30cmで切り口を下にして植える、の4つを押さえれば管理がぐっと楽になります。

次の一歩: じゃがいもの芽かき・土寄せ・追肥で、植え付け後すぐに必要になる管理作業を確認しておきましょう。

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出典

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